保険アンサー

運営:株式会社トータス・ウィンズ

中小企業の保険の
悩みを解決する
メディア

HOME/ コンサルタントコラム/ 年金、退職金、保険/ 覚えておきたい保険活用のテクニック 「契約の変換・コンバージョン」

覚えておきたい保険活用のテクニック 「契約の変換・コンバージョン」

年金、退職金、保険
覚えておきたい保険活用のテクニック 「契約の変換・コンバージョン」

公開日 2021年9月15日 更新日 2021年11月11日

クレームだらけだった、「あるタイプの保険」とは

一昔前、生命保険でもっとも顧客からのクレームになりやすかったのが「定期保険特約付きの終身保険」でした。

それは一言でいえば、「1000万円払いこんで、一定期間までは保険金5000万円だけど、ある年齢を過ぎると保険金が1/10の500万円になってしまう」というような保険です。

払い込んだトータル保険料を保障額が下回ってしまう場合もありますから、契約者からしたら「万が一の時も安心と思って加入していたのに話が違う!そんな仕組みは聞いていない!!」・・・と、言った言わないの大トラブルになってしまうこともあり得たのです。

お客様の保険見直しではご加入中の保険の保険証券を拝見させて頂きますが、そういったトラブルを未然に防げる状態のご契約というのも少なからずあります。
先日ご面談させて頂いた、68歳経営者のケースもまさにそんな状況でした。

その保険は、経営者が50歳の時に加入され、70歳で満期を迎える定期保険でした。
その方はこうおっしゃいました。

“加入した時は、引退の潮時の70歳までかけておけば充分だと思っていたのだけど、保険期間は
残り2年、正直いまはまだすぐに引退も出来ないし、このままだと保障も無くなってしまう。
持病・手術歴もあるし、コロナで業績も芳しくないので新しい保険加入も難しい。どうすればいいのか・・”

そんな切実なお悩みのご相談でした。

本来、契約者やそのご家族に安心をもたらすはずの保険が、事業継続の不安材料になってしまっては本末転倒です。

特に60歳以上の方に多いですが、こういった事態において使える方法があります。
私は、その「方法」を活用できないか、ご加入中の保険証券を見せて頂き、契約内容の分析を行なうことにしました。

それが「契約の変換、コンバージョン」と呼ばれる方法です。

契約の変換・コンバージョンとは?

例えば、70歳満期の定期保険5,000万円に加入されている方が病気にかかり、71歳で亡くなった場合。
遺族は死亡保険金を受け取ることができません。定期保険が70歳で終わってしまっているからです。

満期を迎える前に別の新しい保険に加入できればよいのですが、大きな病気を罹患している場合、
新しい保険には加入できませんよね。

このような時に有効なのが「契約の変換、コンバージョン」です。

コンバージョンの3つの利点

生命保険契約をコンバージョンする利点は、大きく3つあります。

1.健康状態の告知や審査なしで変換できる

生命保険に加入する際には、必ず健康状態の審査があります。
先ほどの例の場合、68歳で持病・手術歴があるとすれば、新規の保険加入はかなり制限されてしまう可能性が高いです。
また誰しも、高齢になってくれば多くの方が何かしらの病気やお身体の不調を持っています。

しかし契約の変換であれば、これらの健康状態が問われることはありません。
これは特に高齢者の保険では、とても大きなポイントです。

2.保険金、期間を変更できる

契約をコンバージョンする場合には既契約がベースとなります。よって変換後の保険金額は、既契約の保険金額内でいくらにするか調整可能です。
同額もしくは下げることはできますが、上げることはできません。

また、保険の期間についてはいつまでにするか選ぶことができます。上記の例だと80歳までの保険期間にすることや、一生涯の終身保険にすることもできます。
保険料は上がってしまうかもしれませんが、もう新しい保険に加入するのが難しい方であれば、保険期間を延長できるのは一考の余地があると思います。

3.保障の範囲を選べる

生命保険には保障範囲があります。ガンなどの疾病、障害・介護状態の給付金や、死亡保険金などです。
コンバージョンをした場合には、現在の保障範囲を踏襲して同じ保障範囲を維持するか、範囲を狭めて死亡保障だけとして持つかなど選ぶことができます。

コンバージョンの制約

このように便利な契約の変換・コンバージョンですが、「コンバージョンできる」保険なのかどうかはケースバイケースです。また「コンバージョンできる」場合も一定の制約があったり、制度的には可能でも契約者メリットが乏しいこともあります。

<よくある一例>
・保険会社ごとにコンバージョン可能な商品、期間が決まっている
・保険金は現在の保険金、あるいは一定額の上限が定められている
・コンバージョン時の年齢が新保険料の基準になる為、保険料は割高になる
・保険加入時の健康状態の審査で引っ掛かっているとコンバージョンできない場合がある

とはいえ、特に満期の定められている定期保険に加入している場合、何もしなければ無駄になってしまう保険が有効活用できるかもしれないのです。

冒頭の68歳経営者の事例では、「保険金を半分にして保険期間を10年延長、保険料はそのまま据え置き」というコンバージョンをかけることができました。

気づかなければ長年大切に掛け続けてこられた保険がなくなってしまうところでしたので、とても喜んでいただくことが出来ました。

該当するケースでは、「コンバージョン」は考慮しておきたい選択肢のひとつになると思います。

ご参考になれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。