保険アンサー

運営:株式会社トータス・ウィンズ

中小企業の保険の
悩みを解決する
メディア

HOME/ コンサルタントコラム/ 「米国株バブル」と言われるが、これからも「世界のマネーは米国株に向かい続ける」のか?

「米国株バブル」と言われるが、これからも「世界のマネーは米国株に向かい続ける」のか?

経済、ビジネス マネー
「米国株バブル」と言われるが、これからも「世界のマネーは米国株に向かい続ける」のか?

公開日 2021年9月17日 更新日 2021年11月11日

日経新聞電子版に「世界のマネーは米国株に向かう 人生100年こわくない・地球株の歩き方」という興味深い記事が掲載されています。

詳しくは記事をご覧いただきたいのですが、無理やりまとめると、以下のようになります。

<結論>
・米国株は「バブルだ」「経済実態を無視している」と言われ続けて1年以上たつが、これから先も2020年代は、米国株の圧勝が続くだろう。

<要因>
その1:米国株の上昇が加速した最大要因はハイテク株。コロナ禍そのものは経済にとってネガティブだが、DXを促進しかつ低金利を長期化させるので、ハイテク株にとってはプラスに働く。

その2:伝統的な企業が経営改革に成功している。具体的には、製薬業ではJ&J(ジョンソンエンドジョンソン)、金融業ではJPモルガン、小売業ではウォルマートやホームデポなど、創業100年以上の会社も2010~20年で時価総額が倍以上になるなど、長期的に成長している伝統企業が多数ある。

その3:次々と無名の会社が急成長して、あっという間に時価総額が日本の代表的な企業を超えてしまう。これが米国株の強さの最重要要因。その代表格は、テスラ(20年代の株価上昇率779%、時価総額81兆円)、モデルナ(1853%、17兆円)、ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(326%、9兆円)。

日本で「GAFA」という単語が一般的に経済誌や新聞に載るようになってきたのが2017年~2018年ごろかと思いますが、その頃からのS&P500指数の推移は右肩上がりです。世界的なコロナ大流行などで一時的に落ち込みはするものの、2021年に入ってからはほぼ毎月のように史上最高値を更新しています。

以下はモーニングスターのS&P500チャートからの引用ですが、5年前と比べて約2.5倍に伸びていることが分かります。

この状況を果たして「バブル」と表現するのが適切なのでしょうか。

本来、バブルとは「その資産がもたらす収益に対して説明が付かないほどの時価がついてしまうこと」です。長期間にわたってなぜ米国株が上昇し続けているかといえば、それは世界中の投資家が「低リスクかつ安全で、成長する投資対象が米国株と考えているから」に他ならないのではないでしょうか。

そして、国際競争力の圧倒的な優位を背景に、世界のマネーは米国に向かっています。記事によると、海外投資家(米国以外)の米国株保有額は2000年末から2020年末にかけて、163兆円(海外投資家保有比率8.1%)から1160兆円(同16.1%)と約7倍になっているというのです。

上記の記事で分析されている米国株の強さの構造要因と、世界的な金余りでこれからも莫大な資金が金融市場に流れるであろうことを考えると、そう簡単に大きな潮流は変わらないのではと思えます。

一方、私たちのような一般市民からすれば、このような分かりやすい潮流が長く続くだろうと見通せることは、大きなチャンスです。長期分散積立でコツコツと資産を築くには、最適な時代といえるかもしれないからです。もちろん投資は自己責任が大原則ですので思い込みは危険ですが、「基本的に2020年代も世界株式市場のけん引はアメリカである」ことは疑いの余地がなさそうです。

この大局観を持つと、資産形成の考え方もガラリと変わると思います。例えば、20年後の未来のために毎月1万円を海外積み立てして、年10%の複利運用で資産形成できたとしたら、どうなるでしょうか?日本の銀行預金(年利0.01%とした場合)と比較すると、こんな差になってしまいます。

【毎月1万円を20年 年利0.01%の場合 20年後の積み立て金額は・・・240.2万円

【毎月1万円を20年 年利10%の場合 20年後の積み立て金額は・・・795.4万円

※「金融庁 資産運用シミュレーション」のページより引用しました。
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/moneyplan_sim/index.html

なお、特定の市場・銘柄に集中投資することは悪いことではないと思いますが、小口の投資家には難易度が高いです。分散効果を薄める・もしくは失くしてしまうことになるので、ご自身がその銘柄や市場に対する余程のこだわりや、期待リターンを上回るほどの明るい材料を持っている場合のみにしたほうが無難だと思います。

個人的には、特定の市場・銘柄よりも市場全体に投資したほうが期待度が高いと考えているため、これからも長期国際分散のスタンスで積立投資を継続していくつもりです。