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【東京 法人保険 最新ニュース】生保の優良代理店に業界が“お墨付き”、金融当局も注目する「業務品質評価制度」の行方

法人保険

【ニュース概要】

ダイヤモンド編集部 藤田章夫:編集委員

選別される生保・損保・代理店#12Photo by Akio Fujita

生命保険業界を挙げて議論してきた乗り合い代理店の業務品質スタディーグループ。初年度審査の申し込みが終わり、今夏にいよいよ審査がスタートする。特集『選別される 生保・損保・代理店』(全28回)の#12では、じっと動向を見据えてきた金融当局も期待する制度の行方を占う。(ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)

金融庁も注目する生保“優良代理店”の評価制度

今や、大手生命保険会社を中心とした営業職員チャネルに次ぐ存在感を誇る、乗り合い代理店チャネル。来店型保険ショップから訪問販売型まで、全国に約2万2000店を数える。保険ショップは大型ショッピングモールだけでなく、駅前のちょっとしたスペースにも出店しており、生保業界にすっかり根付いているといえる。

その乗り合い代理店を巡り、ここ数年、議論が行われてきた。その中心的な存在を担うのが、業界団体の生命保険協会であり、テーマは乗り合い代理店の業務品質に対する評価制度の構築だ。

乗り合い代理店は複数の保険会社の商品を取り扱い、大型代理店ともなれば、取り扱う保険会社の数は優に30社を超える。保険会社各社はそれぞれ代理店の指導・教育や監査を行うが、そのレベルはさまざまだ。

なにより、自社の商品を優先的に販売してもらいたいという思惑から、代理店を評価する際の業務品質項目には“お手盛り”ともいえる形式的な内容が少なくない。その上、保険会社によって評価項目が少しずつ異なるため、代理店側も評価される指標が多岐にわたることに悲鳴を上げていた。

そこで、生保協が座長となって、乗り合い代理店の業務品質の一つの軸となる評価項目を策定するに至ったわけだ。

初会合は2020年6月。業務品質スタディーグループ(SG)と呼ばれた会合には、ほけんの窓口グループをはじめとする代理店13社に代理店の業界団体、消費者団体、生保42社、そしてオブザーバーとして金融庁が名を連ねており、まさに生保業界を挙げての議論となった。

その後、二十数回に上る会合を行い、300を超える評価項目について検討。最終的な評価項目数は、顧客対応とアフターフォロー、個人情報保護、ガバナンスの四つの領域における基本項目150、応用項目60の計210項目に集約された。

そして生保協が審査を行い、基本項目150の基準を達成していると判定されれば、一定の業務品質をクリアしている乗り合い代理店として、晴れて“お墨付き”を得られる。その結果は、生保協のホームページなどで公開、消費者にアピールできるのに加え、保険会社にも情報共有される仕組みだ。

もっとも、生保協の審査を受けるには30万円の費用がかかるのに加え、約2万2000店ある代理店のうち何店の審査ができるのか、どこまで代理店のアピールに役立つのか、150項目をクリアする態勢構築には結構な費用がかかるなど問題が複数ある。

そうした中で生保協は急ピッチで作業を進め、評価運営体制をつくり上げた。そして、3月中旬ごろから代理店への告知を始め、締め切ったのが5月9日のことだ。

では、実際にこの評価制度に応募した代理店はいったい何社だったのか。また、応募した代理店の規模やエリアにばらつきはあるのか。そして、今後の評価運営の方向性について意向を示した金融庁の思惑とは何か。次ページ以降で解説していこう。

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