【東京 税対策 最新ニュース】【元国税専門官が明かす】 実家がお金持ちじゃないのに 「富裕層になれる人」2つの共通点
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収入はたいして増えないのに、物価や税金が上がり支出ばかりが増えていく……無駄遣いしているつもりはないのに、お金が貯まらない。「老後のお金は大丈夫なんだろうか」と不安になっている人も多いのでは? そんな人が参考にしたいのが、『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)だ。
本書は、東京国税局の元国税専門官・小林義崇氏が、相続税調査を通じて得た「“トップ3.5%の富裕層”が密かにやっていること」を体系化したもの。国税職員のなかでも富裕層が相手となる相続税を担当するのは、全体のたった1割ほど。情報が表に出てくることはほとんどない“億万長者のリアル”に触れてきた小林氏は、「富裕層ほど倹約家。無駄金を使わないからこそ富裕層になれた」という事実に気づいたという。
富裕層の実態を知る小林氏に特別インタビューを実施。全5回の第1回目は、「実家がお金持ちじゃなくても富裕層になれる人の特徴」について聞いた。(取材・構成/川代紗生、撮影/疋田千里)日本のトップ3.5% 「1億円超の資産を持つ人」の共通点
――『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』、驚きの連続で、とても面白かったです!「億万長者の暮らし」って、これまでは未知の世界だったのですが、本書を読んで、いい意味で身近なイメージに変わりました。
小林義崇(以下、小林):ありがとうございます。とにかく、今回の本では、「富裕層は、普通の人と全然違うわけではない。彼らの習慣を真似すれば、ちょっとずつでも富裕層に近づくことはできる」ということを伝えたかったので、そう言っていただけて嬉しいです。
――本書では、富裕層に共通する「29の習慣」が紹介されていましたよね。初級編から上級編までバリエーション豊かで、まずは自分の取り組みやすそうなものから、チャレンジしたいと思っています。さて、そもそも小林さんが定義する「富裕層」とは、どんな人たちのことか、あらためて教えていただいてもよろしいでしょうか。
小林:本書では、「日本のトップ3.5%である1億円超の資産を持つ人」を富裕層と定義しています。こう言うと、ブランド物の服を着て、大豪邸にお手伝いさんがいて……みたいなイメージを持つかもしれませんね。
――はい、まさに、そんなイメージがパッと浮かびました(笑)。
小林:私も、国税専門官になるまでは、同じような想像をしていました。私は、2004年から2017年まで東京国税局の職員をしていました。国税局の中でもいろいろな税担当があるのですが、私が担当になったのは、資産税。主に、相続税の担当です。
当時の相続税は、今とは少しルールが異なり、基本的には、資産額が1億円を超えるくらいにならなければ、相続税の申告は必要なかったんです。そのため、相続の相談にいらっしゃる方は、富裕層の方ばかりでした。
そういったさまざまな億万長者たちの税務調査をする過程で、しだいに「富裕層というのはこういう暮らし、こういうお金の使い方をしているんだ」ということがわかるようになってきました。
そこでもっとも驚いたのは、質素な生活をしている人が大半だということです。アーリーリタイアを果たして頻繁に海外旅行に出かけたり、自宅のガレージに何台もの外車を持っていたり……。そんな華やかなイメージとは異なる姿ばかりでした。
「お金持ちになれる人」2つの共通点
――富裕層の実態に興味を持つようになったきっかけは、何かあったのですか?
小林:私は経済的にあまり恵まれていない母子家庭に育ち、高校・大学と合わせて1000万円に迫る奨学金の返済義務を背負いました。子どもの頃からお金に余裕がない暮らしをしていたので、「どうすればお金に悩まされずに済むのだろう?」と、漠然と考え続けていたんです。
東京国税局の国税専門官の採用試験を受けようと思ったのも、「富裕層のことを知れば、『お金に悩まされないためのヒント』が、なにかしら見つかるかもしれない」という理由が大きかったですね。
――富裕層のお金の使い方を調査していて、「若い頃からこういう習慣を身につけている人が、富裕層になるんだな」と、痛感したことはありましたか?
小林:大きく分けて2つの特徴があると思います。1つは、仕事人間であること。国税専門官になる前は、先祖代々、財産を引き継いで、あまり仕事をせずに悠々自適に生活しているような人が多いのかと、漠然と思っていました。しかし実は、仕事に全力投球し、一代で資産を増やした人のほうが多かったのです。
定年世代を過ぎても、70代、80代までバリバリ働いている個人事業主の方も多い印象ですね。
――80代まで! それはすごいですね。
小林:定年まで働き、あとはサラリーマン時代の貯金や年金でやりくりする、という人生プランを練っている人が多いかもしれませんが、「定年世代以降も何らかの形で働く」という手段を残しておいてもいいと思います。
――なるほど。2つ目は何でしょう?
小林:2つ目は、「収入が上がっても生活レベルを変えない」ことです。「お金が上がると生活レベルが上がる」というのが一般常識ですが、これは必ずしも正しくありません。
私が思うに、富裕層はお金をかけるべき物事を見極め、必要以上の食費など、効果の見込めない支出は控えています。これはケチということではなく、「いくら安くても価格に見合わなければ買わない」といったふうに無駄な支出を意識的に避けているということです。
これは以前、ファイナンシャル・アドバイザーの方に聞いた話ですが、中途半端に収入が高い人のほうが、お金の管理ができていないのだそうです。
収入が少ない人は、赤字にならないように日々の食費などを管理せざるを得ませんが、ある程度の収入があれば、「どうせ大丈夫だろう」という気持ちから、家計の管理が適当になり、無駄遣いが増えがちです。
――仕事に打ち込むあまりにストレスが溜まって、お金を使いすぎてしまう……みたいな人も多いと思うのですが、そこをしっかりセーブできる人が、着実に富裕層への階段をのぼっていく、ということでしょうか?
小林:ストレス発散のために衝動買いをする、みたいなことは少ないのかもしれませんね。相続税調査にうかがうと、亡くなった資産家の生前のお金の使い方をひと通り確認するのですが、華美な生活をしている人は少なく、基本的には慎ましやかな生活を送られていました。
淡々と、それまでの生活スタイルを何十年も維持してきたからこそ、それほどの資産を手に入れられたのだと思います。
富裕層は1円たりとも死に金を使わない
――富裕層は私たちよりお金の使い方がうまいのですね。
小林:かといって、富裕層はすべてのお金をケチっているわけではありません。教育費や投資など、将来、増える可能性があるところにしっかりとお金をかけるために、死に金を出さないよう、日頃から気をつけているのだと思います。
――富裕層からの学びとして、小林さんが日頃から気をつけていることはありますか?
小林:たとえば、買い物の回数を少なくすることでしょうか。革靴や鞄は、多少値が張っても良質のものを買って、メンテナンスしながら長く使う。
質が良いと長く使えば使うほど、エイジングによって味わい深くなります。手入れをしながら長く愛用できますから、何度も買い換えるということがなくなります。その分、長期的に見ればコスパが良いといえるでしょう。
本書では、「富裕層に学んだ一生お金に困らない29の習慣」を紹介していますが、そのうちいくつかはすでに実践している読者の方もいると思います。「そんなことで富裕層に近づけるの?」と思うかもしれませんが、「やろうと思えば、すぐにできること」を続けられるかどうかが、分かれ道なのだと思います。
ぜひ、実践しやすそうなところから実践していただき、お金の問題解決につなげていただければ、とても嬉しいです。
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【経歴】
1979年生まれ 京都市出身。
同志社大学経済学部卒業後、日本ユニシス株式会社(現BIPROGY 株式会社)入社。一貫して金融機関向けITシステム開発業務に携わる。
金融システム開発の現場で、2007年~2009年頃のリーマンショックによる経済の大混乱、強烈な景気後退、資産の激減などを目の当たりにする。
その経験から、「これからの日本人の合理的な資産形成・防衛に、正しい金融リテラシーが絶対に必要」という強い思いを持ち、2011年4月 株式会社トータス・ウィンズに入社。
中小企業に特化したリスクマネジメント対策のコンサルタントとして、500社以上の中小企業、1,000人以上の保険相談業務に携わる。2015年、代表取締役就任。
法人保険活用WEBサイト『点滴石を穿つ』を運営する一方で、法人向け保険代理店として、東京都中央区を中心にコンサルティング活動を行なう。
【趣味】
美術館巡り、千葉ロッテマリーンズの応援
【自己紹介】
中小企業向けの金融商品が数多ある中で、わたしは一貫して『100%顧客優位な商品選び』をポリシーに中小企業経営者向けの保険活用プランニングを行なってきました。
これまでのキャリアでの最大の学びは、『お金やお金の流れに関する知識や判断力=「金融リテラシー」は、私たちが社会の中で経済的に自立し、生き抜くために必要不可欠』ということです。
そして金融・保険に携わるプロとして、何よりお客様に対する誠実さ・真心・信頼関係より大切なものはないと考えています。
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