保険代理店に相談するときのメリット・デメリット|保険選びに失敗しないための注意点を紹介します
公開日 2023年9月20日 更新日 2023年9月20日
街中の路面店やショッピングモールに入っている保険ショップ、銀行の窓口など。
保険代理店にも実にさまざまな種類があることをご存じでしょうか。保険代理店は沢山の保険商品を数多く取り扱っていて、良いものを見繕ってくれそうなイメージですが、その実情はピンキリです。保険を選ぶ際には、信頼できる保険代理店を選ぶことが一つのカギと言えるでしょう。
この記事では、保険代理店の概要や特徴について解説し、保険について相談する際のメリット・デメリット、保険選びのポイントについて解説します。どんな保険代理店に選ぶべきか?ご検討中の方はぜひ当記事を参考にしてください。
保険代理店の役割とは
保険代理店とは、保険会社と委託契約を結び、生命保険や損害保険などの保険料品を販売する店舗(事業者)のことです。保険代理店では、委託された保険会社の保険商品を販売するのと並行して、関連する相談業務や契約後のアフターフォローなど、総合的なサービスを提供します。
保険代理店で保険に加入しても、保険料が高くなることはありません。あくまでも委託されている保険会社の保険商品を販売するだけであり、中間マージンを上乗せして保険料を徴収することはないからです。また、保険代理店を利用する際の手数料なども発生しません。
保険代理店の種類
一口に保険代理店と言っても、いくつかの種類に分類できます。ここでは、保険代理店の主な種類と概要を見ていきましょう。
- 専業代理店と副業代理店
- 専属代理店と乗合代理店
専業代理店と副業代理店
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メリット |
デメリット |
専業代理店 |
● 保険代理店事業のみ行っていて専門性が高い |
● 取り扱い商品が多くて悩むことがある |
副業代理店 |
● 購入や不動産契約に関連する保険にそのまま加入できる |
● 専門性に欠ける場合がある |
それぞれの特徴についてご紹介します。
専業代理店の特徴
専業代理店とは、保険代理店の事業のみを行っている店舗(事業者)のことです。専業代理店は保険業務全般を専門としているため、保険加入だけでなく関連するアドバイスも期待できます。加入後のアフターフォローや必要な最新情報の提供も受けることが可能です。
これらの特徴から、専業代理店は、生命保険や損害保険の加入に際して総合的に相談したい法人経営者に向いていると言えるでしょう。
副業代理店の特徴
副業代理店には、不動産業者や自動車販売店が関連する保険を販売するケースなどが該当します。たとえば、不動産売買契約と同時に火災保険を販売するケース、自動車購入時に自動車保険を販売するケース、旅行業における旅行保険などが代表的な例です。
メリットとして、おおもとの不動産や自動車、旅行の契約時に保険契約まで終わるため、利便性が高い点が挙げられます。一方、本業が保険販売ではないため専門性に欠ける点、アフターフォローが十分ではない点はデメリットです。
そのため、副業代理店は不動産契約など保険以外の契約を締結する際に、その場で関連する保険まで加入したい法人経営者に向いていると言えるでしょう。
専属代理店と乗合代理店
保険代理店には、専属代理店と乗合代理店という分類もあります。専属代理店と乗合代理店のメリットとデメリットは以下の表のとおりです。
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メリット |
デメリット |
専属代理店 |
● 1社の保険商品にのみ特化している |
● 他社商品の取り扱いがなく比較検討がしにくい |
乗合代理店 |
● 複数の保険会社の取り扱いがあり選択肢が幅広い |
● 選べる商品が多く商品選定に悩むことがある |
それぞれの特徴について見ていきましょう。
専属代理店の特徴
専属代理店とは、ひとつの保険会社専属の代理店のことです。特定1社の保険会社の商品のみを取り扱い、その保険会社の商品に関して深い知識とノウハウを保有しています。
ただし、他社の保険商品のあっせん・販売ができないため、他社商品と比較検討できない点はデメリットです。
そのため、専属代理店での保険加入に向いているのは、特定の保険会社に精通した事業者を希望する法人経営者だと言えるでしょう。
乗合代理店の特徴
乗合代理店とは、複数の保険会社から販売委託を受けている保険事業者のことです。複数の保険会社のさまざまな保険商品を取り扱うため、比較検討しながら最適な保険を選ぶのに適しています。
保険商品の選択肢が豊富なためどれに加入すれば良いか悩む点はデメリットかもしれません。ただし、乗合代理店のスタッフは保険会社の枠を超えて網羅的な販売知識を保有していることが多いため、相談しながら最適な保険の検討を進められるでしょう。
複数の保険商品からじっくり選んで保険を決めたい法人経営者には、乗合代理店が向いています。
保険代理店を活用するメリット
保険代理店を活用するメリット、主に以下3つです。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
【保険代理店を活用するメリット】
- 複数の保険を比較できる
- サービスが手厚い
- ワンストップでさまざまな保険の相談ができる
複数の保険を比較できる
保険代理店(主に乗合代理店)では、複数の保険を比較できるのがメリットです。複数の保険会社の商品を取り扱っているため、その中から最適な商品を選んで提案してもらえます。
また、保障内容や保険料など法人経営者の希望もあらかじめ伝えておくことで、希望に即した保険商品を提案してもらうこともできます。提案された商品について、担当者と保障内容や保険料の調整を行いながら、自社に最適な保険を選ぶことが可能です。
サービスが手厚い
保険代理店を利用するメリットとして、手厚いサービスを受けられる点が挙げられます。
たとえば、保険会社と直接契約する「ダイレクト型」の保険では、保険商品の加入をひとつのゴールとしているため、その後のフォローは別部署の担当者が行うケースがほとんどです。
一方、保険代理店では専門知識を持つ保険のプロが、幅広いアドバイスを必要に応じて行います。
また、保険代理店では加入している保険の更新時期の案内や、最新情報などのサポートも行ってくれます。自社にとって有益な情報提供が受けられる点は大きなメリットと言えるでしょう。
ワンストップでさまざまな保険の相談ができる
保険代理店を利用することで、保険に関する相談から加入、加入後のアフターフォローまで1か所で完結できます。この点、ダイレクト型保険では、それぞれの保険会社へ自ら連絡して手続きしなければならず、煩雑になりかねません。
さまざまな種類の保険を取り扱っている保険代理店の場合、保険会社や保険商品の枠を超えて1つの窓口としてサポートしてくれる点が大きなメリットです。例えば、保険契約の内容変更や諸手続きなども保険代理店に連絡すれば完了します。
ワンストップでさまざまな保険の相談ができるのは、契約者にとって大きなメリットです。
保険代理店を活用するデメリット
保険代理店にはさまざまなメリットがありますが、一方でデメリットもあります。ここでは、保険代理店を活用するデメリットを2点見ていきましょう。なお、デメリットに関してはあくまでも一般的な例であり、全てにおいてこの限りではありません。
【保険代理店を活用するデメリット】
- 保険料が高くなる可能性がある
- 信頼できる代理店を見つけるのが難しい
保険料が高くなる可能性がある
保険契約は一般的に、加入経路によって保険料が変わることはありません。しかし、保険商品によってはダイレクト型保険よりも保険料が高くなる可能性があります。
そもそもダイレクト型保険は、保険会社が直販する保険です。そのため、代理店や保険会社の営業活動における費用(中間コスト)を大幅にカット。そのため、一般的に、ダイレクト型保険の保険料の方が、代理店経由で加入するよりも割安な傾向にあります。
しかしその代わり、ダイレクト型保険では保険代理店のように総合的なアドバイスや別の保険商品の説明は受けられません。加入時の判断や契約後のメンテナンス等も基本的にすべて自己責任で行なう必要があります。
自らにとってどのような保険が最適なのか、保障内容の変更やアフターフォローまで詳細に相談し、納得して決めたい場合には、保険代理店を通じて加入する方が安心できるでしょう。
信頼できる代理店を見つけるのが難しい
相談しながら自社に最適な保険商品を探したいと考えていても、信頼できる代理店かどうか判断するのは容易ではありません。なかには、経験や知識が不足しているスタッフが在籍している場合や、顧客の利益を優先せずに代理店の都合で保険を紹介するケースもあります。
信頼できる保険代理店かどうか確認する方法として、保険代理店の実績や営業年数などをホームページで確認することが挙げられます。また、実際に保険代理店を訪ねた際の印象や、質問にどう対応してくれるか、リアルな反応を確認してみるのも良いでしょう。Googleクチコミなど、ごまかしがきかないクチコミ情報を参考にするのもひとつの方法です。
反応を確認した結果、対応があやふやだったりレスポンスが遅い等、不安な点があるなら別の保険代理店を探す方が賢明かもしれません。
保険代理店を選ぶときのポイント
保険選びに失敗しないためには、その道先案内人である保険代理店選びのポイントを押さえておくことが非常に大切です。本来、万が一のときに役に立つための保険がいざというときに役に立たなければ本末転倒です。そうならないためにも、信頼できる保険代理店を選ぶ必要があります。
保険代理店選びの主な失敗例は、以下のとおりです。
【保険代理店選びの失敗例】
- 担当者がコロコロ変わる
- 欲しいときに契約フォローが無い
- 担当者の説明が事実と異なるなど、信頼できない
- 1社からのみの提案しか受けなかったことを後悔している
このような失敗を未然に防ぐため、保険代理店を選ぶときのポイントをご紹介します。
【保険代理店を選ぶときのポイント】
- 個別の事情をしっかり分析してくれる保険代理店、営業担当者を選ぶ
- セカンドオピニオンサービスを利用しながら信頼できる保険代理店、営業担当者を探す
個別の事情をしっかり分析してくれる保険代理店、営業担当者を選ぶ
一般論だけで話を進める営業担当者には注意しなければなりません。相談者個別の事情もしっかり分析し、最新の情報を提供してくれる営業担当者であれば信頼できるでしょう。
また、目先の保険加入だけでなく、保険金や解約金の払い出し時などの出口戦略まで一貫して、親身になって考えてくれるかどうかも重要です。
特に、法人経営者が加入する法人向け保険は、経営判断や税制面の知識も不可欠です。法人保険への加入にあたっては、販売ノウハウの豊富な信頼できる営業担当者(代理店)を選ぶ必要があります。
セカンドオピニオンサービスを利用しながら信頼できる保険代理店、営業担当者を探す
保険相談のセカンドオピニオンサービスを利用しながら、信頼できる営業担当者(代理店)を探す方法もあります。
セカンドオピニオンサービスとは、営業マンや代理店から勧められた保険商品が、本当に顧客優先の内容となっているか確認するサービスです。セカンドオピニオンサービスを利用することで、本当に必要な保障が担保されているか、保険料が希望と釣り合っているか把握でき、不利益を回避できます。
保険代理店のセカンドオピニオンサービスを利用するメリットは次のとおりです。
【セカンドオピニオンサービスに相談するメリット】
- 本当に必要な保障内容になっているか把握できる
- 保険料の節約・削減につながる
- 最新の保険商品や情報収集ができる
- 幅広い視点で総合的に保険加入を検討できる
セカンドオピニオンサービスを上手く活用し、疑問点を解消しながら信頼できる営業担当者(代理店)を探すことをおすすめします。
まとめ
保険代理店にはさまざまな種類がありますが、なかでも力になってくれるのが専業代理店かつ乗合代理店だと言えるでしょう。保険商品の取り扱いを主な業務としており、複数の保険会社の商品知識を保有している代理店だからです。特に法人保険への加入に際しては、法人保険特有の税制上の知識や経理処理の知識も求められるため、ノウハウのある代理店に相談することをおすすめします。
当社トータス・ウィンズでは、法人保険に特化してご相談を承り、豊富な知識と実績に基づいて総合的に経営者の皆さまをサポートしております。
いまご加入されている保険契約やこれからの保険加入についてお悩みやご不明点がある場合、まずはトータス・ウィンズのセカンドオピニオンサービスをぜひご活用ください。
【経歴】
1979年生まれ 京都市出身。
同志社大学経済学部卒業後、日本ユニシス株式会社(現BIPROGY 株式会社)入社。一貫して金融機関向けITシステム開発業務に携わる。
金融システム開発の現場で、2007年~2009年頃のリーマンショックによる経済の大混乱、強烈な景気後退、資産の激減などを目の当たりにする。
その経験から、「これからの日本人の合理的な資産形成・防衛に、正しい金融リテラシーが絶対に必要」という強い思いを持ち、2011年4月 株式会社トータス・ウィンズに入社。
中小企業に特化したリスクマネジメント対策のコンサルタントとして、500社以上の中小企業、1,000人以上の保険相談業務に携わる。2015年、代表取締役就任。
法人保険活用WEBサイト『点滴石を穿つ』を運営する一方で、法人向け保険代理店として、東京都中央区を中心にコンサルティング活動を行なう。
【趣味】
美術館巡り、千葉ロッテマリーンズの応援
【自己紹介】
中小企業向けの金融商品が数多ある中で、わたしは一貫して『100%顧客優位な商品選び』をポリシーに中小企業経営者向けの保険活用プランニングを行なってきました。
これまでのキャリアでの最大の学びは、『お金やお金の流れに関する知識や判断力=「金融リテラシー」は、私たちが社会の中で経済的に自立し、生き抜くために必要不可欠』ということです。
そして金融・保険に携わるプロとして、何よりお客様に対する誠実さ・真心・信頼関係より大切なものはないと考えています。
皆さんが安心して納得できる金融商品選びができるよう、わかりやすい記事を書き続けることで貢献していきます。