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【東京 法人保険 最新ニュース】株価70%下落「FPパートナー」長期投資なら買い?危険?“生保のビッグモーター”と呼ばれる理由とリスク

法人保険

ニュース概要

FPパートナー<7388>は“生保業界のビッグモーター”だと取り上げられ、株価も大きく下がっています。ビッグモーターは自動車をわざと壊して保険会社に修理代を水増し請求していました。今回FPパートナーがビッグモーターになぞらえられた理由としては、保険会社と蜜月関係にあると指摘されているからです。FPパートナーが報道された内容を解説し、今後FPパートナーはどのような状況になっていくのか考えてみたいと思います。(『 バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問 』栫井駿介)

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プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

“生保のビッグモーター”と呼ばれる理由

きっかけは東洋経済オンラインの記事でした。FPパートナーは「マネードクター」というブランドで展開している保険代理店です。

 
保険代理店のビジネスは、お客さんからの保険の相談に乗り、各保険会社の商品から合ったものを選んで販売するものです。

保険代理店は保険会社から販売手数料を受け取り、それが収益となります。

保険会社としては、保険代理店にたくさん保険を売ってもらった方が儲かることになりますし、保険代理店としても販売手数料が貰えるので、保険会社と保険代理店はwin-winの関係が成り立ちます。

しかし、FPパートナーは会社が儲かる保険を選んで販売して、お客さんに対する真摯なアドバイスとは言えないのではないかということが問題となっています。

※参考:「生保業界のビッグモーター」にすり寄る生保 – 東洋経済オンライン(2024年6月11日配信)

 

「マネードクター」の仕組み

改めてFPパートナーはどのような会社なのか見てみましょう。

FPパートナーは2023年に上場し、すぐに東証プライムに上場するほど勢いのある会社です。

FPパートナー<7388>通期業績推移(SBI証券提供)

FPパートナー<7388>通期業績推移(SBI証券提供)

業績も右肩上がりに成長していて、直近でも増収増益を見込んでいます。

FPパートナーの特徴としては、まさに「マネードクター」というブランドに位置づけられたものがあると思います。
保険に限らず、お金に関するあらゆる相談を受ける“かかりつけ医”という位置づけです。
このブランドを作ってコマーシャルを流し、知名度が上がってきました。

オンラインでの相談も強化していますが、多くのビジネスはオンライン上でお客さんとアポイントメントを取りつけ、全国にいる販売員(募集人)が実際にお客さんのいる場所に出向いて保険や金融商品の説明をするというものです。

店舗を持たずにファミレスやカフェなどで相談を受けているという特徴があります。

ファミレスなどで保険の話をしていることが増えている印象ですが、FPパートナーの募集人なのかもしれません。

飛ぶ鳥を落とす勢いであり、見込み顧客を集める力を他の保険代理店よりも持っていて、FPパートナーの従業員である保険の販売員の人たちは見込み顧客に対してどんどん保険を販売しに向かいます。

給与体系としては“フルコミッション”で、固定給は無く、どれだけ保険を販売したかによって給料が決まるという体系です。
これは外資系の保険会社や証券会社なども近い仕組みとなっています。
要するに、個人が多く売るほど給料が上がるというものです。

このビジネスモデルは保険会社としては都合が良いものです。
募集人にはたくさん儲けたいという人がいて、まずは保険会社がFPパートナーに対して、自社の保険を販売してくれたら成功報酬を多く渡すということを提案してきます。
FPパートナーとしてはあくまで中立な立場で、保険会社からの報酬に関わらずお客さんに対して良いと思える商品を販売するというのが真摯なものにはなりますが、やはりビジネス上儲かる商品を売ることになってしまいます。

まして上場したばかりでこれから業績を伸ばしていかなければならない企業なので、報酬を多く払ってくれる保険会社の商品を贔屓するのは必然の流れかと思います。

金融商品の販売ビジネスというものは、多かれ少なかれ会社が儲かる商品を売るということが大前提としてあります。

保険代理店は、特定の保険会社を贔屓にしてはいけないということにはなっていますが、建前だけのものとなっています。

また、保険商品は差別化がほとんどできないもので、お客さんとしてはどの保険会社の保険を選んでもそれほど差はありません。
保険代理店が儲かる保険だったとしても、損をするというわけではありません。

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