【東京法人保険最新ニュース】ビッグモーター、11月末で損保7社が代理店契約を解約　指定取り消しも合わせ顧客離れは必至

2023.11.09

法人保険

ニュース概要

2023.10.25　中古車流通

自動車保険金の不正請求問題で揺れるビッグモーター（和泉伸二社長、東京都多摩市）の整備事業が、さらに厳しい状況に追い込まれそうだ。同社と損害保険の代理店委託契約を結んでいた損保会社７社すべてとの契約が、１１月末までに事実上解約されることになった。これまでは、自社の工場で車検整備と同時に自動車損害賠償責任（自賠責）保険を更新できていたが、今後はそれができなくなる。国土交通省は同社の一部工場で、検査が行える指定工場の資格取り消しなどの処分を決めている。顧客の不便が増すのは確実で、ビッグモーター離れがさらに加速する可能性がある。

　三井住友海上火災保険は２３日、ビッグモーターとの保険代理店委託契約を１１月３０日付で解約すると発表した。あいおいニッセイ同和損害保険、ＡＩＧ損害保険も同日付で解約する。共栄火災海上保険は１１月１日付となる。

　すでに東京海上日動火災保険（１０月１日付）、日新火災海上保険（９月１５日付）は解約済み。

　ビッグモーターとの関係が深かった損害保険ジャパンは、契約解約についてはビッグモーターと合意している。しかし、幹事（代理申請）会社という立場上、ほかの損保が代理店契約をしているうちは解約できない状況だった。ただ、ビッグモーターに対して自賠責、任意保険の提供はすでに行っていない。

　三井住友海上の決定で、ビッグモーターと代理店契約を結んでいた７社全部との契約解約が事実上決まったことになった。

　自動車保険金の不正請求問題を受け、７月２５日に同社が謝罪会見をしてから、損保各社は徐々にビッグモーターとの契約解約が進んでいた。ビッグモーターによると、この間、車検入庫した顧客が自賠責を更新する場合は、三井住友海上の自賠責を主に提供していたという。ほかには、あいおいニッセイ同和とＡＩＧ損保も取り扱っていた。ただ、１１月３０日で、この３社の自賠責も提供できなくなる。

　自賠責に加入しなければ車検は通らないため、顧客に満足なサービスの実施が難しくなる。ビッグモーターの広報は、「今後どうするか社内で協議している」としており、対策を急ぐ考えだ。

　国交省によると、顧客が独自に代理店や損保の営業窓口で自賠責に加入したり、地方運輸支局の近隣にある保険代理店で手続きをしたりするなど、方法はいろいろあるという。ただ、顧客にとっては工場で車検と自賠責の加入を一度に済ませていたことができなくなり、相当不便になるのは間違いない。

　ビッグモーターによると現在、取り扱いが困難になっている任意保険については、顧客自身にダイレクト系の損保に加入するなどしてもらっているという。自賠責でもこうした対応も考えられるが、追加で生じる顧客の手間や損失を、誰が負担するのかも焦点になりそうだ。

　ビッグモーターが損保代理店として扱う損害保険料は、年間２００億円あった。この販売手数料も同社にとって大きな収益の一つだったが、保険販売業も厳しい状況になる。

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日刊自動車新聞電子版
ビッグモーター、11月末で損保7社が代理店契約を解約　指定取り消しも合わせ顧客離...
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