外貨建て保険に入ると「大損」することも
筆者は、資産運用の相談に行った銀行で、こういわれたことがあります。
「お客様は、資産が毎日変動して一喜一憂する商品と、資産が着実に積み上がっていく商品とでは、どちらがお好みですか?」
この質問は、「投資信託と外貨建ての保険のどちらがいいですか?」と聞いています。というより、外貨建て保険に誘導しているのがわかりますか?
外貨建て保険を販売すると、投資信託よりも銀行は「儲かる」のです。保険商品は、保険会社が作って、銀行に販売してもらうというものです。ということは、保険会社と銀行の両方の手数料や儲けが必要になります。
40歳の男性が払った金額の「1.2倍に増える」と説明され、「米ドル建て一時払い終身保険」に加入した例でお話ししましょう。
「米ドル建て一時払い終身保険」という商品は、為替の変化を考えないと、100万円払って保険金が120万円に増えます。ある保険会社のHPを見ると、たしかに、予定利率が4.57%って書いてあります。
でも、気をつけてください。予定利率は、金利ではありません。将来の金利にもよりますが、この男性が40年後の80歳で死亡しても、保険金は120万からほとんど増えないのです([図表]参照)。