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【東京 法人保険 最新ニュース】節税保険で規制強化でも続く「いたちごっこ」

法人保険

ニュース概要

中村 正毅 : 東洋経済 記者

金融庁の案内板

金融庁は2019年以降、節税保険の規制強化に舵を切った(写真:記者撮影)
 
コロナ患者への総額1兆円近い保険金支払いを迫られている生保。足元のインフレで車両修理費などのコストが急速に膨らむ損保。『週刊東洋経済』4月10日(月)発売号では「保険動乱」として、経営環境が厳しさを増し、保険金の不正請求問題も直撃する両業界の実情に迫った。(この記事は本特集内にも掲載しています)
 

法人向けの節税保険をめぐって、金融庁は2月、外資系のエヌエヌ生命保険に対して行政処分を下した。

金融庁が問題視したのは、「低解約返戻金型逓増定期保険」という法人向け商品を利用した租税回避行為だ。同商品は契約から5年が経過すると、契約者が受け取る解約返戻金が大きく跳ね上がる仕組みになっている。

その仕組みを利用して、契約者は5年目になる直前に契約の名義を、法人から役員個人に変更し契約を譲渡。そうすると、返戻金は税制上個人の一時所得として扱われることになり、役員報酬を支払うときと比べて、所得税の負担を大きく軽減できるのだ。

通称「名変(名義変更)プラン」などと呼ばれており、エヌエヌ生命は同プランを前面に押し出した営業を展開していた。

陰で販売を続けていた

そもそも国税庁は2021年3月、名変プランの乱売に業を煮やし、税務処理ルール(所得税基本通達)の改正を周知していたが、エヌエヌ生命はそれ以降も陰で販売を続けていたという。

エヌエヌ生命に対する処分内容などを記した公表資料には、業務改善に向けて実施すべきこととして、適切な募集管理態勢の確立やビジネスモデルのあり方の検討など、さまざまな項目が並ぶ。

処分理由に関する説明では、節税効果を過度に強調した保険募集が横行し、エヌエヌ生命として防止策が機能しているかの確認すら実施していない、という記載もある。

もはや「金融機関としての体をなしていない」(金融庁幹部)状態にあり、その経営責任は重大なはずだ。

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