「持ち戻し」期間が延長されそうだ

　「『持ち戻し』は死期が近づいてから駆け込みで相続人に贈与して節税することを防ぐために作られたルールです。

日本では3年間ですが、英国では7年、ドイツは10年、フランスは15年、そして米国には期限がありません。米国ではいつの時点の贈与であっても、全期間遡って相続税を課されてしまうのです。

日本政府も米国のように、贈与されたおカネを無期限で相続財産に組み直すことを目指しています。しかし、日本の金融機関のデータ保持期間が10年とされ、まずは今回の改正で『持ち戻し』の期間を5～10年に延ばすのではないかと考えられています」(橘氏)

たとえば70歳から相続税対策を始め、子に毎年110万円ずつ贈与をし、80歳で亡くなったとしよう。

現行のルールでは、亡くなる3年以内の330万円を除き、770万円が非課税の贈与となり、相続財産を減らすことができる。

しかし、「持ち戻し」期間が10年に延長されると、コツコツと贈与してきた1100万円すべてが相続財産にカウントされ、基礎控除(3000万円+600万円×法定相続人の数)を除いた部分に相続税を課せられてしまうのだ。

さらに生前贈与のルール変更はこれだけにとどまらない可能性がある。この「持ち戻し」の対象が拡大されるおそれもあるという。税理士法人ファミリィ代表の税理士・山本和義氏が解説する。

「現在、相続人以外への贈与については、原則として亡くなる前の3年間であっても、相続財産に持ち戻さなくていいことになっています。

相続または遺贈によって財産を取得しない孫などに贈与すれば、亡くなる前の3年間であってもその金額は相続財産に加算されることはなく、相続税の負担額が減るのです。

ところが今回の『税制改正』で、孫などに対する贈与も持ち戻しの対象になると予想されています。亡くなる前の3年間よりもっと前から(たとえば、7年とか10年間)子や孫に贈与したすべての金額が相続税の対象になりかねません」

こうしたルール変更は年末までにまとめられる税制改正大綱に盛り込まれ、’23年に法律を改正し、’24年から適用されるとの予測もある。

そうなると、「持ち戻し」期間が3年で、孫が対象外となる現行制度が適用されるのは、今年と来年の2回しかない。暦年贈与を今年から活用するにはすぐに動き始める必要がある。

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Yahoo!ニュース

 

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ついに「暦年贈与」が終了へ…！12月までに「必ずやるべき相続対策」（現代ビジネス...

https://news.yahoo.co.jp/articles/aa3433b2a79860be3508af8353eb71bdab2c72fd

----------長年燻ってきた相続・贈与税の改正に、政府がついに踏み切りそうだ。時間をかけて相続財産を圧縮できる「暦年贈与」を使えるのも来年限りになりかねない。今ならまだ間に合う。すぐに始めよ