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【東京 相続・事業承継 最新ニュース】誰を呼ぶ?相続人全員の合意は必要?…財産の分け方を話し合う「遺産分割協議」の進め方とルール【相続専門公認会計士が解説】

相続・事業承継

ニュース概要

石倉 英樹 2024.2.13
 
遺産分割協議とは、相続人が集まり「誰が・どの財産を・どれぐらい相続するか」を話し合うこと。いざというときに慌てないよう、「そもそも相続人にあたるのは誰?」「相続人がバラバラの場所に住んでいるけど、どうすればいい?」など、基本的なことは知っておきたいものです。 本記事では、相続専門の公認会計士・税理士として活躍する石倉英樹氏が、著書『税金のことが全然わかっていないド素人ですが、相続税って結局どうすればいいのか教えてください!』(すばる舎)から、遺産分割協議の基本を解説します。
 

遺産分割協議の流れとルールを確認しよう

亡くなった人(被相続人)の遺産をどう分割するか、法定相続人全員で話し合うのが「遺産分割協議」です。いざというときのために、実際の進め方を確認していきましょう。

「相続人」を確定する

遺産分割協議を行うためには、まず、誰が相続人なのかを確定させる必要があります。そのためには、亡くなった人の本籍地がある市区町村の役所から戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本を取り寄せて、出生から亡くなるまでの戸籍を調べ、法定相続人を確定します。

なお、亡くなった人に離婚歴がある場合は以前の配偶者との子供についても確認します。また、養子や亡くなった人が認知した子供も法定相続人になるので、遺産分割協議への参加が必要です。

さらに、亡くなった人から遺産の一部を受け取ると約束した人(包括受遺者)も遺産分割協議には参加します。

一方、相続人の中に認知症などにより判断能力を失っている人や未成年者がいる場合は、遺産分割協議に当たり代理人を選任します。認知症などの場合は、家族が家庭裁判所に申し立てを行い、成年後見人を選任します。未成年者の場合もまた、家族が家庭裁判所に申し立てを行い、親権者(父母)を選任します。

ただし、親権者が相続人の場合は特別代理人(利害関係のない親族など)を選任します。なお、未成年者が複数いる場合は、それぞれに特別代理人を選任します。これらの場合は、選任された各代理人が遺産分割協議に参加します。

相続人の中に探しても見つからない行方不明者がいる場合は、他の相続人が家庭裁判所に申し立てを行い、不在者財産管理人を選任します。この場合も、選任された不在者財産管理人が遺産分割協議に参加することになります。

亡くなった人の財産を洗い出して、確定する

相続人を確定させるとともに、亡くなった人の財産も確定させましょう。

一般的な相続財産は、現金、預貯金、不動産、株式などのプラスの財産と、借金や未払金などの債務といったマイナスの財産です。これらの財産をすべて洗い出します。相続する財産を調べ上げたら、財産目録も作成しておきます。

なお、相続財産の内容を見て、相続放棄や限定承認を考えている場合は、必ず相続の開始を知ってから3カ月以内に結論を出しましょう。

遺産分割協議は「相続人全員」で行わなくてはならない

次に、財産目録を見ながら、相続人全員で遺産分割協議を開始します。

なお、遺産分割協議は相続人全員が参加しなければなりません。1人でも参加しない場合は、その協議は無効になります。「相続人が多数いる」「仕事で都合がつかない」「遠方に住んでいる」などの場合は、電話やオンラインなどで話し合いを進めましょう。

相続人の意見が合わない場合、話し合いで財産の分け方が決まらずに、税務署への相続税の申告期限を過ぎてしまうこともあり得ます。遺産分割をスムーズに行うためにも、相続人の確定と財産の特定は早く行い、遺産分割協議の時間を長めに取れるように調整しましょう。

実は遺産分割に期限はありませんが、遺産分割協議書がないと名義変更(相続登記)はできません。また、相続税の申告期限までに遺産分割協議書を税務署へ提出しなければ、原則、相続税を軽減する特例を受けることもできません

よって、相続税の申告が必要な場合、遺産分割協議書の作成は、相続開始から10カ月以内に終わらせることがベストです。

それでも、相続人同士の話し合いで財産の分け方を決められない場合や、相続人が遺産分割協議への参加を拒む場合などは、家庭裁判所に申し立てをして、調停(調停分割)や審判(審判分割)を受けることもできます。

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