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【東京 退職金 最新ニュース】「退職金をすぐ投資」は絶対NG!経済記者も呆れたお粗末すぎる銀行員の実態とは?

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ニュース概要

 
「退職金をすぐ投資」は絶対NG!経済記者も呆れたお粗末すぎる銀行員の実態とは?『インベスターZ』(c)三田紀房/コルク

三田紀房の投資マンガ『インベスターZ』を題材に、経済コラムニストで元日経新聞編集委員の高井宏章が経済の仕組みをイチから解説する連載コラム「インベスターZで学ぶ経済教室」。第19回は「何買ったらいい?」の危うさに警鐘を鳴らす。

「何買ったらいい?」と聞く人に伝えたいこと

 名門女子校・桂蔭学園で投資部を立ち上げた「道塾学園」創業家の令嬢・藤田美雪は、ビギナーの同級生ふたりに、口座を開設しても株式をすぐ買ってはいけないと告げる。ウォーミングアップのために投資体験ゲームに取り組むふたりが選んだ銘柄を一瞥(いちべつ)すると、美雪は「全然ダメ!」「本気になってない」とさらに厳しい言葉を投げかける。

 最近、投資経験ゼロの知人に「何買ったらいいの?」と聞かれることが増えた。そんなとき、私には定番の答えがある。

「何を買ったらいいかは、人それぞれ。でも、やめた方がいいことはある。それは、いきなり金融機関の窓口に行くこと」

 リーマンショック前後には、退職金を勧められるままにブラジルなど高金利の新興国債券ファンドにつぎ込み、その後の急落で老後のプランが台無しになったといった話をあちこちで耳にした。

 救いがない、とため息が出たのは当時、某銀行の投信担当者からこんな話を聞いた時だった。

「窓口担当の若い行員が『大事なお客様に大損させてしまった』と動揺している。メンタルケアが必要だ」

 すすめた方も無知だった、というお粗末な話だ。

 お断りしておくが、すべての金融機関がお客をカモにしようとしているなどと言いたいのではない。だが、一部でも、投資家の利益より手数料稼ぎを優先する会社や営業担当者はいる。金融商品選びもできない人が、金融機関や担当者の「目利き」ができるはずもない。

 運が悪ければ、あなたは証券投資口座を開いてすぐ、美雪が言うところの「場合によっちゃ命より大事」なお金をワケも分からず「投資」につぎ込む羽目になる。

リスクは「引き受ける」もの

漫画インベスターZ_3巻P51『インベスターZ』(c)三田紀房/コルク

 そもそも、いきなり人に「何買ったらいい?」と聞く発想はとても危うい。情報収集を怠って結論だけ知りたがる人は、面倒くさがっているだけでなく、うまく行かなかった時に「悪いのはアイツ」と責任転嫁する心理的な保険をかけているフシがある。

 その対極にあるのが、美雪が部員たちに求める「リスクを取る覚悟を決める」という境地だ。ただ、注意したいのは、リスクを取ればリターンも取れるといった単純な話ではないこと。「ハイリスク・ハイリターン」「リスク無くしてリターン無し」といったフレーズには、両者はセットで、リスクに応じてリターンがついてくるイメージがわきやすい。

 だが、未来は予測不可能で、リターンがどうなるかは誰にも分からない。投資商品のリスクの大きさも、過去のデータから推計・類推しているにすぎない。両方とも、現実には不可知でつかみどころのないものだ。

 誰かが「機会」に大事なお金を投じ、それが経済成長のタネ銭となって、リスクの担い手は結果的に見返りを得る。これが市場経済の好循環のメカニズムだが、未来もそれが機能する保証はどこにもない。

 それを承知で不確かな未来の結果を受け止めること。私は、突き詰めれば、投資とはそれ以上でもそれ以下でもない営みだと考えている。だから「リスクを取る」よりも、「リスクを引き受ける」という表現を好む。

 スパルタ式の美雪は疑似売買を2銘柄に絞れとけしかける。「分散投資はダメ!」と断じる美雪は、投資の神様ことウォーレン・バフェット氏を崇拝している。どうやら、次回はバフェット語録から私のお気に入りのあの名言が登場しそうだ。

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