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【東京 退職金 最新ニュース】シニアの資産運用「銀行預金一辺倒」から脱却せよ…平均的な短期金利より「2~3%高い収益」を得る、具体的な方法【FPが解説】

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ニュース概要

 

老後生活を支える資金は、いくらあっても不安がつきまとうもの。そのため「働ける限り働く」ことを覚悟している方も多いのではないでしょうか。しかし、資産運用でそれなりの収益が得られれば、生活はもちろん、気持ちのゆとりも違ってきます。元銀行員で大学教授のキャリアを持ち、いまも教壇に立つFPが、シニアのための堅実な資産運用について解説します。

オイルショック時のような「預金の目減り」は過去のものだが…

2022年から資源高と円安によるインフレが起こりましたが、シニアの資産運用においては「インフレが怖いから銀行預金にお金を置いておいてはダメ」ということではありません。

日本の銀行の預金金利規制は、1994年に当座預金を除いて撤廃されています。シニアの方々の記憶では、1974年に石油ショックで1年間に約23%も物価が上がったとき、預金の金利が上がらなくて預金の目減りが起こり、社会問題となったことを覚えておられると思います。しかし、預金金利に対する規制が自由化されたいまでは、こうした問題は原理的には解消されているとお考え下さい。

もっとも、現在のように高いインフレが起こっても、短期金利が上昇しない場合があります。こうした状況では、物価連動国債に投資をする投資信託での運用が適切となります。物価連動国債は、その時々のインフレ率に連動する形で利息(利金)が変動する商品で、インフレに負けることがありません。しかし、現時点ではこの国債は個人向けに販売されていないので、この国債に投資をする投資信託を活用することで対処するべきでしょう。

しかし、現在のような状態が続くと高いインフレが継続し、経済は悪化していくため、日本銀行は短期金利を引き上げてインフレを抑えていくことになります。こうした金融政策は自然利子率を想定しながら行われることが知られています。「自然利子率」とは、経済・物価に対して引き締め的にも緩和的にも作用しない、中立的な実質金利の水準のことを指します。「実質」とは、インフレやデフレの物価変動の影響を除いた部分という意味です。

そして、この自然利子率は長期的にはおおむね潜在成長率に一致するものです。「潜在成長率」とは、工場設備等の「資本」、働く人の数・時間等の「労働」、そして生産性の向上分を意味するいわゆる「技術進歩」の合計であり、長期的に達成可能な経済成長率のことです。

預金の一部を、内外の債券・株式に分散投資を行う投資信託へ

日本の自然利子率は、現在(2024年9月)-1.0%~0.5%程度とみられており、この自然利子率に2%の物価上昇を前提にすると、名目金利で1~2.5%前後が、緩和でも引き締めでもない中立的な金利であると報告されています(安達哲哉「実質金利でみる金融政策の現状~金融緩和の持続性維持と成長への布石~」2024年、ニッセイ基礎研究所)。

また、政府は、わが国の長期的な潜在成長率は経済状況に応じて0.4~1.8%と推定しています(内閣府「中長期の経済財政に関する試算」2024年7月)。短期金利が上昇しはじめた場合、どの程度まで上昇するかといえば、長期的には潜在成長率と日本銀行のインフレ目標である2%との合計となりますので、2.4~3.8%ではないでしょうか。

もっとも、定期預金の金利が金融市場の短期金利にどこまで連動するかも問題となります。あまりに低い定期預金金利であれば、現在は低金利で販売が停止されているMMF(マネー・マネジメント・ファンド)という短期証券で運用する投資信託などの商品に資金が移動しはじめるので、銀行も大きな差をつけることはできないでしょう。

しかし、これを機に預金の一部を内外の債券・株式に分散投資を行う投資信託にシフトして、平均的な短期金利より2~3%高い収益を得ることをお勧めします。

内外の債券株式4資産に分散投資を行う公的年金の過去10年(2014~2023年度)の平均収益率は7.35%でしたが、消費者物価の平均上昇率は1.1%でしたので、その差は約6%でした。仮に過去10年間、預金の5分の1程度をこうした資産運用で運用していれば、預金がインフレに負けた約1%分をカバーできていたことになります。

ただし、公的年金の資産運用は過去10年間で2回、年間収益率がマイナスとなっています。預金からのシフトを徐々に行うことが大切ですから、一度に投資をせず、投資の開始時期は分散しましょう。

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