《40代のたぱぞうさんは2000年から株式投資を始め、2017年にFIREを達成。主に米国株投資で3億円以上の資産を築いたという。現在は月間100万PV(ページビュー)を誇るブログや著書で自らの投資観を書き続けるほか、YouTubeチャンネルを開設、投資顧問アドバイザー務める。25歳から投資を始めた桶井さんは2020年に47歳で1億円の資産を築き、25年間続いた会社員生活に見切りをつけて、FIRE生活に入った。現在は「子ども食堂」への支援に取り組むほか、60歳を目途にレストランや大浴場などを備えた「シニアマンション」に入居することを目指して資産形成を継続している。2人はどうやって資産を形成したのだろうか》
初任給のほとんどを投資に
桶井さん
資産形成の第一歩は、給与天引きなどを利用して毎月一定額を先に貯金してしまう「先取り貯金」ですね。まずは生活防衛資金を貯めて、余剰資金を投資に回していくという感じです。たぱぞうさんは、どうですか。
たぱぞうさん
はい、私もそうでした。ですが、私の場合はあまり貯金はせず、会社で初任給をもらった時からそのほとんどを投資に回していました(笑)
桶井さん
ハハハ。さすがです(笑)
たぱぞうさん
おけいどんさんと私は世代的に近いと思いますが、私たちの前の世代の成功モデルがガラッと崩れてしまい、先行きに対する不安を抱いている世代かと思います。仕事や社会がずっと安定し続けるわけではないという事実に、私たちより上の世代が直面していました。そのため、先取り貯金に加えて、副収入や投資といったマインドを持つようになりました。
桶井さん
昭和時代であれば、普通に働いて、60歳で定年を迎えれば、退職金と公的年金で普通に幸せな老後が待っていて、70代くらいで天寿を全うするという時代でした。それが今は、なかなか給料も右肩上がりにはなっていません。仕事の給料だけで賄えるのかといえば、どうしても疑問があります。
一方で、年金は増えない。寿命も長くなり人生100年時代になりつつある。そうなってくると、会社の収入だけで幸せな老後を送るのは難しくなってくると思うんです。これからの人生を生きていくうえで、やはり投資をしていかなければいけないと感じています。
貯金しても、わずか0.001%という超低金利の時代です。金利がインフレ率に負けていますので、どうしてもお金は減ってしまう。そうなるとやはり、投資をするしかないのかなと思います。
たぱぞうさん
先日、叔父が亡くなったんですけど、叔父は私の父と違って若い時からやんちゃで、海外に遊びに行ったりするような人でした。定年退職した後も20年近く海外のコンドミニアムで暮らしていたんです。私が叔父を訪ねて遊びに行った時に「貯金はいくらあるのか」と尋ねると、叔父は「200万」と言っていました。心底たまげたのを覚えています(笑)
何千万という退職金をもらえる世代でありながら、なぜ貯金が200万円しかないのか不思議だったんですが、叔父は「貯金はそんなにいらない。お葬式代の200万があれば十分でしょ」と。そういう発想なんです。それはやっぱり、年金が手厚い世代だからです。この辺から私たちの世代とマインドセットが違うんですよね。僕は3年前に退職しましたけど、年金は月に10万円計算ですから。