金融庁は、岸田政権が掲げる「資産所得倍増プラン」を具体化する政策としてNISA=少額投資非課税制度の拡充に乗り出します。8月31日(水)に金融庁のNISAに関する税制改正要望事項が発表されました。

まだ要望案の段階ではありますが、どんな点が改正されるのか−−メリットと今後の課題を確認します。

NISAが拡充されると、どうなるのか?

今回の改正案は、従来の3つのNISA「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」が1本化されて未成年者を含む全世代が利用可能となります。そのため、仕組み的に今までよりは、シンプルなものになります。

そして、改正案では「非課税期間を無期限」「非課税枠を拡大」させることを提案しています。現状の「一般NISA」は非課税で年120万円まで5年間投資でき、「つみたてNISA」は非課税で年40万円まで20年間投資できますが、枠を拡大して欲しいといった要望が多かったのです。

今回のNISA制度に関する要望事項の中で、一般NISAの年間投資枠を120万円から240万円へ、つみたてNISAは40万円から60万円へ引き上げ、さらに2つの制度を併用可能とすることで、年間投資枠の合計を300万円とする案が示されています。

もしも、年間の投資枠が提言通りに増え、一般NISAとつみたてNISAが併用可能となれば、年間投資枠は一気に300万円に跳ね上がります。

位置付けとしては、特に若い世代の利用者が多い「つみたてNISA」をベースとし、この中に「一般NISA」のように上場企業の株などにも投資できる「成長投資枠」を新たに設けるといった形です。これでも、少し複雑さが残りますが、今までよりは分かりやすくなるでしょう。

その上、制度が恒久化されるのであれば、腰を据えた長期的な資産形成が可能になります。

(本文の続きは、以下のリンク先にあります)