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【東京 経済 最新ニュース】たったの48時間。なぜ米シリコンバレー銀行は短時間で破綻したのか

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ニュース概要

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Tempe,,Arizona,-,Mar.,12,2023:,Silicon,Valley,Bank,(svb)

3月10日に突如経営破綻したアメリカのシリコンバレー銀行。バイデン政権の素早い対応により最悪の事態は避けられたとされますが、なぜこのような騒動が発生してしまったのでしょうか。今回のメルマガ『週刊 Life is beautiful』では、Windows95を設計した日本人として知られ、自身もこの騒ぎに巻き込まれてしまった中島聡さんが、シリコンバレー銀行破綻劇の一部始終を時系列で記すとともに、その特徴を解説。さらにこのような危機に瀕した際の「アメリカの強さ」を紹介しています。

シリコンバレー・バンクの破綻

先週のシリコンバレー・バンクの破綻の件ですが、私自身が当事者でもあったので、ハラハラでした、ようやく週明けになって決着が付きました。

日本でも報道されていると思いますが、断片的な情報だけだと理解しにくいと思うので、銀行のビジネスモデルやシリコンバレーバンクの役割にまで立ち返って、包括的に解説してみたいと思います。

銀行のビジネスモデルは、基本的には、預金者から集めたお金を貸し出し、その金利の差額で利益を上げるというものです。通常、金利は長期のものの方が高いので、いつでも引き出すことのできる(つまり、超短期の)普通預金に0.1%の金利を支払い、集めたお金を2.6%の金利で10年の住宅ローンとして貸し出す、ようなことをします。預金総額が100億円の銀行であれば、預金者に支払う利息は1,000万円、借り手から受け取る利息は2億6,000万円なので、2億5,000万円の粗利が生じます。

これだけ聞くと、とても楽に儲けられそうに見えますが、いくつかのリスクがあります。一つは「貸倒れ」で、貸し手の破産などで貸したお金が戻ってこないケースです。これに関しては、住宅ローンの場合だと住宅そのものを担保にすることにより、万が一返却が不可能になった場合には、担保の住宅を売却して資金を回収します。

もう一つのリスクは、金利の変動です。何らかの理由で金利が上昇すると、預金者に支払うべき利息が増えるため、長期で貸しているお金が生み出す利息との差が縮まって利益が少なくなったり、最悪の場合には貸しているお金の利息の方が少ない「逆鞘(ざや)」になってしまいます。そんなことを避けるために、銀行は十分に大きな金利差を設定したり、金利が急上昇した時だけ大きな利益が出る特殊な金融商品を購入して保険をかけるのが一般的です。

取り付け騒ぎとは、多くの人々が(何らかの理由で)「銀行が倒産するかもしれない」という不安に陥って預金を一斉に引き出す行動のことを指します。これが起きると、まず最初に銀行が持っている現金が極端に少なくなります。銀行は、預金者から預かったお金を他の人や会社に貸し出しているので、それほど現金は持っていないのです。お金を貸している先から急に取り立てることも出来ないので、そんな時には「お金を貸している権利」そのものを他の銀行に売却することにより現金を入手しますが、慌てて売ろうとすると買い叩かれるため、下手をするとそれにより大きな損失を被り、破綻してしまう場合もあります。

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