アフラックのしっかり頼れる介護保険を解説。ぜひ追加してほしい改良点2つ
公開日 2021年10月12日 更新日 2021年11月11日
がん保険・医療保険に強いアフラック生命から、<アフラックのしっかり頼れる介護保険>が2021年9月21日に発売されました。
2021年度「生命保険に関する全国実態調査(速報版)」(2021年9月発行)によれば、
・生命保険(個人年金保険を含む)の世帯加入率は89.8%と前回調査とほぼ同水準
・医療保険の加入率93.6%、今回新たに調査を実施した認知症保険と健康増進型保険の加入率はそれぞれ6.6%、4.2%
となっており、第1分野の生命保険、第3分野の医療保険はこれ以上大きく加入率が伸びるとは思えない状況にあります。
その一方で、これから日本は「人生100年時代」と言われるほどの長寿化が予想されていますから、介護が大きな社会問題になりかねません。
そんな時代背景を受けてのアフラック生命 介護保険新商品の発売です。
ではまずこちら、アフラック生命の8月6日付けニュースリリースです。
https://www.aflac.co.jp/news_pdf/2021080602.pdf
以下、一部抜粋します。
<アフラックのしっかり頼れる介護保険>の特徴
1)お客様のニーズに合致した保障を提供
認知症に限定しない幅広い要介護原因を保障対象とし、継続的な年金タイプの保障で備えることができます。
2)お求めやすい保険料を実現
介護にかかる期間や公的介護サービス利用時の自己負担額に整合した合理的な保障設計とすることで、お客様にとってお求めやすい保険料となっています。
3)分かりやすい支払事由
公的介護保険制度と連動した明確でわかりやすい支払事由となっています。
※特長の詳細、付帯サービスはニュースリリース内に詳しく掲載されていますので、ご確認ください。
<アフラックのしっかり頼れる介護保険>の強み
この保険のUSPは『2)お求めやすい保険料を実現』にあると思います。
ニュースリリース内の保険料例(月額)、支払型(1型)の場合だと、
40歳男性 : 1,740円 40歳女性 : 2,430円
50歳男性 : 2,480円 50歳女性 : 3,510円
60歳男性 : 3,940円 60歳女性 : 5,690円
となっており、競合他社の商品に比べてかなり安めの設定です。
また、保障内容も要介護:1と2の場合は一時金形式、統計的に長引き・費用がかさむ要介護:3以上の場合は年金形式となっていて合理的です。
私もそうですが、両親や祖父母などの介護経験者であれば、自分がいざその状態になったときに経済的な負担を身内に掛けたくない、と考えるのは人情でしょう。
これからの超高齢化社会で、間違いなく社会問題のひとつとなるであろう介護の問題に対して、リーズナブルに加入できる新しいタイプの介護保険の登場は意義があることだと思います。
そのうえで、敢えてこれから商品改定をぜひ加えてほしい点が個人的に2点あります。
(1)就労不能保障、障害保障を付けられるようにしてほしい
公的介護保険制度の対象となるのは、原則として65歳以降です。
40~64歳でも要件を満たせば介護保険は利用できますが、こちらの記事によれば「2016年度は632万人の要介護・要支援認定者のうち、40~64歳の利用者は13万人」とあり、働いている世代で要介護の対象となるのはごく僅かです。
このようなデータから、現役世代に介護保険が果たして必要かといえば、優先度は低いと考えざるを得ません。現役世代の加入も想定するなら、多少割高になっても障害手帳を受け取った場合など、働きたくても働けなくなった場合の就労不能保障を付けられるオプションを付加できてもいい気がします。
また高齢者になっても、足腰が弱くなり転んでしまい、足を骨折したことがきっかけで動けなくなった場合などがあります。それらも障害特約が付けられれば、保険請求の対象になる可能性があると思います。就労不能や障害に対する特約が付けられれば、現役世代や高齢世帯の幅広いニーズに更に応えられるプランになるでしょう。
(2)短期払いが出来るようにしてほしい
上記ニュースリリース内の保険料例(月額)は一見割安ですが、(2021年10月12日現在)この保険の支払い方は「終身払い」のみ可能となっています。
もし仮に上記の保険料例中の40歳男性が80歳まで要介護状態にならず、支払い続けた場合の保険料負担は、1,740円×12か月×40年=835,200円にもなります。
さらに五体健康でしたら、介護保険金は払われることなく、保険料負担は一生涯続きます。
月額1,740円だから安いな・・・と40年ほっとくと、835,200円払う羽目になる訳です。
まあそれ自体は、生命保険の基本「相互扶助」と「大数の法則」そのものですから契約者が納得したうえで加入していれば別にいいのですが、
例えば10年間で支払いが終えられるとか、65歳で支払われるといった選択が出来ればなおいいと思います。
実際、アフラックの医療保険は最短2年払い込み完了が可能です。
こちらの介護保険も同じような選択ができるのであれば、被保険者が現役世代でも、65歳を過ぎた方でも加入検討しやすくなると思います。
また中小企業経営者であれば、「契約時は法人契約・短期払いで、払込完了後に譲渡・個人契約に変更」にできれば、最終的に全額損金算入できます。
法人契約で加入を検討する経営者が増えるでしょう。遥かに使い勝手が良くなること請け合いです。
まとめ
介護保険は、冒頭でご紹介したように加入率・一般認知度ともに低く、実際に給付を受けている方も他分野に比べて非常に少ない保険です。
しかしだからこそ、これから介護ニーズの高まりによって伸びしろは大きいでしょうし、使い勝手次第で個人・法人問わず販路拡大が望める稀有な市場となる可能性が高いと思います。
契約者が介護保険ならではの安心をしっかり享受できる、優れた商品がどんどん生まれてきてほしいものです。
ご参考になれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
【経歴】
1979年生まれ 京都市出身。
同志社大学経済学部卒業後、日本ユニシス株式会社(現BIPROGY 株式会社)入社。一貫して金融機関向けITシステム開発業務に携わる。
金融システム開発の現場で、2007年~2009年頃のリーマンショックによる経済の大混乱、強烈な景気後退、資産の激減などを目の当たりにする。
その経験から、「これからの日本人の合理的な資産形成・防衛に、正しい金融リテラシーが絶対に必要」という強い思いを持ち、2011年4月 株式会社トータス・ウィンズに入社。
中小企業に特化したリスクマネジメント対策のコンサルタントとして、500社以上の中小企業、1,000人以上の保険相談業務に携わる。2015年、代表取締役就任。
法人保険活用WEBサイト『点滴石を穿つ』を運営する一方で、法人向け保険代理店として、東京都中央区を中心にコンサルティング活動を行なう。
【趣味】
美術館巡り、千葉ロッテマリーンズの応援
【自己紹介】
中小企業向けの金融商品が数多ある中で、わたしは一貫して『100%顧客優位な商品選び』をポリシーに中小企業経営者向けの保険活用プランニングを行なってきました。
これまでのキャリアでの最大の学びは、『お金やお金の流れに関する知識や判断力=「金融リテラシー」は、私たちが社会の中で経済的に自立し、生き抜くために必要不可欠』ということです。
そして金融・保険に携わるプロとして、何よりお客様に対する誠実さ・真心・信頼関係より大切なものはないと考えています。
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