ワクチンを接種したら保険に入れない? 【新型コロナと保険】10の疑問
公開日 2021年8月10日 更新日 2022年3月13日
長らく続く新型コロナウイルス感染症の蔓延。
新規患者数や重症者数の動向に関する報道が続きますが、いつも気になることのひとつが万一ご自身や家族、身近な人が感染してしまったときの対策やワクチン接種に関してだと思います。
わたし自身、2020年初頭のコロナ感染拡大以来、友人知人やお客様から何度となく新型コロナウイルスと保険に関する質問を受けています。
そこで、今回は新型コロナと保険にまつわる代表的な疑問についてQ&A形式でご紹介します。
保険加入に関して
Q1.新型コロナウイルスのワクチン接種をすると、生命保険に加入できないというのは本当ですか?
新型コロナに限らず、感染症予防のためのワクチン接種は通常、保険の加入審査に影響しません。ただし、副反応で高熱を発症して医師の診察を受けた場合などは告知事項に該当しますので、新規保険加入時にはありのまま伝える必要があります。
Q2.新型コロナウイルスに感染した場合は、保険に加入できなくなりますか?
新型コロナなどの感染症に罹患した場合、完治後に一定期間経過しないと保険加入は難しい場合がほとんどです。
Q3.感染に備えて医療保険などへの新規加入を検討すべきでしょうか?
貯蓄や雇用形態などにもよりますが、コロナ療養のために高額な医療費がかかる状況は考えにくいことから、一般的に新型コロナ感染症だけのために新たな医療保険加入は不要だと思います。ただ新型コロナの場合、完治までの日数が長期化するケースや後遺症で仕事復帰に時間が掛かるかかるケースがあるようです。
中長期の収入減少に耐えきれない家庭や貯金のない人や、後遺症が残ること(障害状態への対策)が気になるようであれば、就労不能状態になった場合の給与サポート的な保険があります。そういったタイプの保険であれば検討に値するかもしれません。
各種給付金、保険金に関して
Q4.新型コロナウイルス感染で入院した場合、給付金は支払われますか?
支払われます。また軽症である・満床である等の理由で病院に入院できず、医師の指示により病院以外の臨時施設(ビジネスホテル等)や自宅療養となった場合は、入院給付金が支払われることがほとんどです。
Q5.通院治療の場合、給付金は支払われますか?
支払われます。オンライン診療による通院も、保険会社によっては支払い対象になります。
Q6.感染症による死亡の場合、保険金は支払われますか?
支払われます。また保険会社によっては災害保険金特約などに加入している場合、感染症による死亡を災害死亡保障の対象にしている場合があります。
Q7.コロナ感染後に後遺症が残り、就労が難しくなりました。障害給付金は支払われますか?
障害の定義や就労不能の給付金お支払い要件は、保険会社ごとに大きく異なります。個別確認が必要です。
その他
Q8.新型コロナウイルスの感染拡大によって保険料の支払いが難しくなった場合、支払期日を延期してもらえますか?
保険料の支払期日延長や、立替払い、貸出金利優遇などの特別措置を講じている保険会社があります。ただし緊急事態措置が出ているエリア限定の措置や期間限定の措置など、ケースによって異なります。
Q9.新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、本来必要な入院ができなかった、当初の入院期間より短くなった場合などはどうなりますか?
入院給付金の対象となる場合があります。
Q10.そのほか特別対応などはありますか?
新型コロナウイルス感染症の影響で手続き書類の用意が難しい場合、代理書類や一部省略、簡略化を認める特別措置があります。
コロナウイルスにおける特別措置については、全生保会社共通の取り組みと各保険会社個別の取り組みがあります。前者は生保協会のホームページ(https://www.seiho.or.jp/data/billboard/disaster05/)に、後者は各保険会社のホームページに記載があるほか、殆どの保険会社で新型コロナウイルス感染症に関する相談窓口を設置しています。
個別具体的な質問に関しては、加入している保険会社に直接お問い合わせください。
【経歴】
1979年生まれ 京都市出身。
同志社大学経済学部卒業後、日本ユニシス株式会社(現BIPROGY 株式会社)入社。一貫して金融機関向けITシステム開発業務に携わる。
金融システム開発の現場で、2007年~2009年頃のリーマンショックによる経済の大混乱、強烈な景気後退、資産の激減などを目の当たりにする。
その経験から、「これからの日本人の合理的な資産形成・防衛に、正しい金融リテラシーが絶対に必要」という強い思いを持ち、2011年4月 株式会社トータス・ウィンズに入社。
中小企業に特化したリスクマネジメント対策のコンサルタントとして、500社以上の中小企業、1,000人以上の保険相談業務に携わる。2015年、代表取締役就任。
法人保険活用WEBサイト『点滴石を穿つ』を運営する一方で、法人向け保険代理店として、東京都中央区を中心にコンサルティング活動を行なう。
【趣味】
美術館巡り、千葉ロッテマリーンズの応援
【自己紹介】
中小企業向けの金融商品が数多ある中で、わたしは一貫して『100%顧客優位な商品選び』をポリシーに中小企業経営者向けの保険活用プランニングを行なってきました。
これまでのキャリアでの最大の学びは、『お金やお金の流れに関する知識や判断力=「金融リテラシー」は、私たちが社会の中で経済的に自立し、生き抜くために必要不可欠』ということです。
そして金融・保険に携わるプロとして、何よりお客様に対する誠実さ・真心・信頼関係より大切なものはないと考えています。
皆さんが安心して納得できる金融商品選びができるよう、わかりやすい記事を書き続けることで貢献していきます。