池上彰さんが教える「一生で一番多く収める税金」とは?今こそ消費税は減税すべき理由
公開日 2022年2月10日 更新日 2022年3月23日
人気の長寿番組「池上彰のニュースそうだったのか!!」で司会をつとめる池上彰さんによる、税金をわかりやすく解説したページの切り口が斬新で興味深かったので、取り上げてみます。
詳しくは記事をご覧いただければと思いますが、人生における大きな支出や嗜好品の積み重ねで、私たちの家計にどれだけの税金が掛かってくるかを一定の条件下で試算されています。
- 持ち家に対して一生涯に払う税金 : 約1020万円
- 車を保有することに対して一生涯に払う税金 : 約313万円
- タバコを吸うことに対して一生涯に払う税金 : 約620万円
- ビールを飲むことに対して一生涯に払う税金 : 約219万円
そんなに掛かるの?!と思われる方も多いのではないでしょうか。
「人が一生で何にどれくらい税金を払うのか」を改めて考える機会はあまりないと思います。また、私たちの身の回りで税金が何にどれくらい使われているのかについても、意外と知らないものです。
一生で一番多く納めるのは何税?
「人が一生で一番多く収める税金」は何か、考えたことはありますか?
一般的に払う税負担が大きいのは、所得税、住民税、消費税です。この3つ、それぞれ一生で払う税金はどれくらいでしょうか。記事から引用します。
(中略)
東京・世田谷区に住み、23歳、年収300万円の入須太郎さんが、出世して65歳で定年退職し、90歳まで生きたと仮定して、一生で払う所得税、住民税、消費税の額をざっくり計算してみました。(図5・図6参照)
図5:一生で払う税金はいくらになるのか?(23~90歳)
3つのうち一番多く払うのはどれだと思いますか。
少ない方から見ていきましょう。
第3位は所得税です。生涯で約1,267万円払うことになります。
第2位が住民税で約1,627万円です。所得税より住民税の方が多いというのは、意外な感じがしますね。
所得は収入から必要経費を引いたもので、所得が多くなるほど税率は上がります。逆に所得税が非課税という人もいます。この場合、所得税がゼロでもかかる住民税があることは知っていますか。
これを「均等割」といいます。所得が多くても少なくても、その自治体に住んでいる以上はいろいろな行政サービスを受けているのだから、全員一律にこれだけの金額は納めてくださいというのが均等割です。(但し、所得が一定の基準以下の人は住民税も非課税になります)
第1位は消費税です。
その額は約2,174万円。所得がない人でも買い物をすれば必ず払うわけですから、一生で考えると積み重ねで一番多く払っているのです。
図6:一生で払う税金(23~90歳) (引用ここまで)
なんと、一般的なサラリーマンが納める税金の第1位は、消費税で約2174万円!
2位の住民税に500万円以上、3位の所得税に900万円以上の大差をつける結果になりました。
「消費税」は、消費に対する罰金のような税制です。30年近くもデフレが続いている日本の現状も当然かもしれませんね。
「消費税は社会保障のため」はうそ?
そして令和に入って改悪された、全ての日本人に関係した増税といえば「消費税10%化(2019/10)」です。
この増税について「増え続ける社会保障費の財源のためならやむを得ない」と考えられている方も多いと思います。
しかし、消費税導入前と後の社会保険制度の改悪状況や、実際の国の歳入・歳出を見ると、消費税が社会保険費にはほとんど使われていないという現実があるという主張があります。下の表を見ると、消費税導入前と後で、どのように社会保障制度が改悪されたか一目瞭然です。
画像の引用元:https://www.zenshoren.or.jp/2021/04/26/post-9475
考えてみれば、消費税って一般財源で目的税ではありません。だから社会保障だけの財源には出来ないんですよね。
こちらの記事を読むと、「消費税によって社会保障は支えられている」というのはミスリードと大きな誤解によるもので、「この先も消費税を増税しなければ社会保障はまかなえない」というのも、極めて怪しいものだということが分かります。
コロナ禍で、このさき継続的に事業を続けられるのか、2年以上も続く自粛と先行き不安でもう限界、という中小企業経営者はいっぱいいます。
ここまで見てきたように、個人負担の面でもひとりあたり一生涯で2000万円以上とぶっちぎりで負担額の大きい消費税が僅かでも下がれば、全国民に影響するだけにとても大きいと思います。何より、不公平かつ時間の掛かる給付金などに比べ、遥かに公平で時間もかからないでしょう。
そもそも、社会保障の財源になっていない時点で消費税10%へ増税した理由は正当性を失っていますから、8%に戻すか5%に減らすのが筋です。このような状況からみて、私は今こそ消費税は減税または一時凍結すべきだと思いますが、どうお考えになりますか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。
【経歴】
1979年生まれ 京都市出身。
同志社大学経済学部卒業後、日本ユニシス株式会社(現BIPROGY 株式会社)入社。一貫して金融機関向けITシステム開発業務に携わる。
金融システム開発の現場で、2007年~2009年頃のリーマンショックによる経済の大混乱、強烈な景気後退、資産の激減などを目の当たりにする。
その経験から、「これからの日本人の合理的な資産形成・防衛に、正しい金融リテラシーが絶対に必要」という強い思いを持ち、2011年4月 株式会社トータス・ウィンズに入社。
中小企業に特化したリスクマネジメント対策のコンサルタントとして、500社以上の中小企業、1,000人以上の保険相談業務に携わる。2015年、代表取締役就任。
法人保険活用WEBサイト『点滴石を穿つ』を運営する一方で、法人向け保険代理店として、東京都中央区を中心にコンサルティング活動を行なう。
【趣味】
美術館巡り、千葉ロッテマリーンズの応援
【自己紹介】
中小企業向けの金融商品が数多ある中で、わたしは一貫して『100%顧客優位な商品選び』をポリシーに中小企業経営者向けの保険活用プランニングを行なってきました。
これまでのキャリアでの最大の学びは、『お金やお金の流れに関する知識や判断力=「金融リテラシー」は、私たちが社会の中で経済的に自立し、生き抜くために必要不可欠』ということです。
そして金融・保険に携わるプロとして、何よりお客様に対する誠実さ・真心・信頼関係より大切なものはないと考えています。
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