【断酒に成功】「断酒の理由・デメリット」そして「断酒後100日経って起こった変化・習慣」
公開日 2022年4月18日 更新日 2022年12月17日
決して簡単ではないが、「断酒」は最高の決断だった
「お酒との付き合い方を見直したい」と思ったことはありませんか?
お酒はほどほどに付き合うべきだと知りながら、つい飲み過ぎてしまいますよね。
わたしはその典型で、コロナ禍前は毎晩ほぼ欠かさず約2~3時間はお酒を飲んで、だらけた時間を過ごしていました。コロナ禍で家族と家にいる時間が増えたことを機に、2020年3月から「ほどほどの禁酒」を始め、2021年12月24日からは「一滴も飲まない断酒」を開始。
この記事を書いている2022年4月現在で100日を経過しましたが、「お酒を飲みたい!」と思うことは全く無くなり、心身ともに「人生で最高の状態」といえるくらい快調です。あのとき「断酒」を決断して本当によかったと思っています。
この記事では、そんなわたしの「断酒の理由」「飲酒のデメリット」そして「断酒後100日経って起こった変化・習慣」を簡単にまとめてあります。これから断酒を成功させるための情報も含まれています。断酒に興味がある方の参考になれば幸いです。
目次
断酒の理由
わたしの飲酒歴は約22年、ほぼ毎晩飲んでいました。
比較的お酒に寛容な家系で、交友関係にも酒飲みが多かったこともあり、成人してからほぼずっと、お酒と切り離せない生活を過ごしてきました。
休肝日を取るという発想も殆どなかったので、若いころはともかく30代になってからは健康診断の肝機能の数値や血圧など、基準値オーバーが当たり前でした。
おとなの嗜好品としてもコミュニケーションツールとしても、お酒は必要不可欠だと強く信じていたのです。
しかし40歳前後になってから、飲み過ぎると翌日の夕方まで二日酔いが残るようになったり、飲んだ後の異常な発汗や夜眠れないなど経験したことのない体調変化が起こったりしはじめたことから、「これは長年の飲酒生活のせいだ」と強く認識するようになりました。
何とかしなければと思っていた矢先、起こったのが2020年からのコロナ禍です。
少し先も全く見通せないカオスな世界の中で、酔っ払っている場合ではありません。頼れるのは自分だけです。そのためには健康と正常な判断力、賢く生き抜く知恵が必要不可欠。そして飲酒は、それらすべてを破壊しかねないものです。
何よりの極めつけは、「パパ、身体の為にもお酒本当にやめて」と家族に言われたことでした。自分でも気づかないうちに家族に心配されていたことに心を打たれ、「もう一生分飲んだ。やめよう」と断酒を決意しました。
節酒も一瞬考えましたが、恥ずかしながらこれまで何度となく「ほどほどの禁酒(数日~数週間)」と「宴席などで再開⇒飲み始めてまた元通り」を繰り返してきたのです。
依存気質のある自分の性格上、自分自身で飲酒をずっとコントロールし続けるのはどう考えても無理だろうと思いました。
それなら思い切ってスパッとやめたほうが良い気がしたので断酒を選択しました。
「ほどほどの禁酒」時代中に↓こちらの記事↓にも書きましたが、
https://www.t-wins.com/tokyo-hoken/column/%e3%80%90%e7%a6%81%e9%85%92%e3%81%ae20%e3%83%a1%e3%83%aa%e3%83%83%e3%83%88%e3%81%a8%e5%8a%b9%e6%9e%9c%e3%80%91%e3%81%8a%e9%85%92%e3%82%92%e3%82%84%e3%82%81%e3%82%8b%e3%81%a8%e5%b0%91%e3%81%97%e3%81%9a/
断酒を継続するには、とにかく「飲酒が自分にとっていかにマイナスかを脳に徹底的に理解させ続ける」ことが大事だと思います。
改めて飲酒のデメリットについて。考えられる限り、挙げていきましょう。
飲酒のデメリット
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時間を無駄にする(1日3時間を50年続けると約5年)
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お金を無駄にする(1日1,000円を50年続けると約1800万円)
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脳が萎縮して認知症のリスクが高まる
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肝臓への悪影響(脂肪肝⇒アルコール性肝炎⇒肝硬変(ここまで行くともう治らない))
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生活習慣病、がんのリスクが高まる
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記憶力・判断能力が低下する
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感情的になる(情緒不安定)
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精神的に落ち込む(自己嫌悪、自己憐憫)
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仕事や人間関係で、失敗・事故・事件を起こしやすくなる
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事故・事件・犯罪に巻き込まれやすくなる
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睡眠障害(夜眠れない・眠りが浅い・次の日寝過ごす)
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肌が荒れる
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筋肉が減る
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太りやすくなる
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疲れやすくなる
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翌日のパフォーマンスが最悪
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年をとると二日酔いが長引く
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これだけ悪い影響があるのが分かっていても、やめられない
改めて挙げてみると、ひどいものですね。
特に怖いのは最後の「これだけ悪い影響があるのが分かっていても、やめられない」という事実です。
よくテレビCMなんかで見かける「ビールが飲みたくてスキップして家路を急ぐサラリーマン」とか「く~!っと言いながらうまそうに飲み干す有名人」とかって、見ようによっては依存症じゃありませんかね・・・?
デメリットについては、細かく書き始めると枚挙にいとまがありませんので、ここでは具体的に数値化できる「時間」と「お金」の2点についてだけ取り上げてみましょう。
飲酒で失われる時間の考察
一般的にお酒に費やされる時間は、「単純に飲んでいる間の時間」だけに留まりません。
酒飲みは、
- 飲む前(段取り・待ち合わせ)
- 飲んでいる間(宅飲み・外飲み一次会/二次会など)
- 飲んだ後(お酒が抜けるまで、二日酔いが収まるまで)
の3つの時間を失っています。
酒量に寄りますが、単純に飲んでいた時間が2~3時間だったとしても、完全に身体からアルコールが抜けるまでは、その3倍以上もの時間が掛かることもあります。
もちろん全て無駄とは言いませんが、膨大な時間を費やすことには違いありません。
アルコール分解に必要な時間について、こちらのサイトで計算するとビール350ml(アルコール度数5%)を3本飲んだときに必要となる成人男性の分解時間は、だいたい約10時間となっています。
そこで飲酒から完全にアルコールが抜けるまでの時間を仮に1回あたり10時間/飲酒頻度は毎日とカウントすると、1年で3650時間です。
つまり1年365日のうち152日間、10年に換算すると約4年以上もの時間をお酒を飲んで分解することに費やしてきた計算になるのです!
飲酒で失われるお金の考察
わたしの飲酒時代の1日のお酒の費用を簡単に振り返ってみると、かつては
- ビール350ml×1本(200円)
- ハイボール350ml×2本(300円)
- おつまみ(500円~)
など、自宅飲みでも1,000円以上は使っていました。外食なら、どんなに少なくても1回3,000円以上です。
飲酒歴は約22年ですから、1日1,000円カウントで1年36万円超と考えると、今まで使用した金額はなんと800万円以上にもなる計算です!
ちょっと頭と心が痛くなってきましたが、何とかここで踏みとどまれたのでギリセーフとしましょう・・。
さて、こんなにも膨大な時間とお金をかけて何が得られたでしょうか?
結果的に身体と精神へのダメージ、それに後悔だけが残りました。
かつて、お酒はストレス発散と退屈を穴埋めしてくれるものだと信じて疑っていませんでした。
しかし、冷静に考えるとお酒に囚われていただけ。わたしの場合は得たものよりむしろ、失ってきたもののほうが遥かに多いと実感しています。
「断酒」を成功させるにはそんな「お酒の正体」をしっかり「脳」で理解することが必要不可欠なのです。
お酒の正体はクスリ、依存性薬物
1日のご褒美で飲むビールは美味しいですよね。
仕事を頑張ったあとに飲むビールや、仲間との集まりでハイボール、ワイン、ウィスキー等のグラスを傾けてリラックスする至福の時間。
気分が高揚して幸福感を感じ、ストレスも解消してくれる魔法の飲み物。
だけどその正体「アルコール」は、「依存性薬物」だと知っていますか?
アルコール依存症の社会問題に対する情報を発信している「特定非営利活動法人ASK」のサイトには、各依存性物質の強さについて以下の表で示されています。
表の引用元:https://www.ask.or.jp/article/644
これを見ると、数ある薬物の中でもアルコールがいかに強い毒性・依存性を持っているか一目でわかりますね。
お酒を飲んで美味しい!と思ったり開放感を感じたりするのは、アルコールの作用で脳の機能が低下し、麻痺しているだけなのです。そしてさきほど、お酒のデメリットをたくさん上げましたが、それでも飲酒が世間一般に広がっているのには理由があります。
それは、あなたが子どもの時からお酒が身近な存在で、気分を高揚させる楽しい大人の飲み物だと刷り込まれているからです。お酒が有害な存在だなんて教育は受けたことがないからです。
お酒はテレビやCMでもポジティブに紹介され、いつの間にか身近な存在になっていました。人間の体にはアルコール耐性が付くので、若いころは適度に飲んでいたお酒も、だんだんと量が増えていきます。そうすると生活や体調に支障をきたすようになり、少しずつ異変に気づきながらもお酒をやめることができません。これがアルコール依存症の怖さです。
アルコールが体に悪影響あるのを知りながら、多くの人がお酒の罠にはまるのは、お酒が数百年にも渡って社会に根付いている文化だからでしょう。そして日本は世界中で最も手軽にアルコールを買える国ですし、あらゆる面でお酒に非常に寛容です。
しかし、いかに日本がどれだけお酒に寛容な国だろうが、アルコールが依存性の強い薬物であることは揺るぎない事実です。「アルコール依存症はコントロールを失わせる病」ですから、今は問題なくても「自分には関係ない」と思われていても、ふとしたきっかけで誰でも依存症になる可能性はあります。
Wikipediaの「薬物依存症」記事中では、「依存症の専門家による点数付けを平均した身体的依存、精神的依存、快感のスコアリング表」が以下のとおりとなっています。
なんと、ヘロイン、コカインに続いてアルコールの毒性は3番目に高いとされているのです。
断酒の第一歩は、まずこういった事実を知ることからだと思います。
「お酒は強烈な依存性薬物である」「飲み続けると誰でも依存症になりかねない」という事実を、あなたの「脳」で理解し続けましょう。
断酒後100日経って起こった変化・習慣
わたしが実際に断酒を開始し、100日経って起こった変化を以下にまとめました。
身体に起こった変化・習慣:
- 睡眠の質が明らかに良くなった(寝床についてすぐ眠りに付ける/深夜に目覚めなくなった/寝起きが快適)
- 消化器系の体調不良がなくなった(胃痛・胸やけ・慢性的な下痢など)
- 毎朝ウォーキングの習慣が身に付いた
- 「お酒飲みたいなあ」と思うことがなくなった
精神に起こった変化・習慣:
- 訳もなく不安になることがなくなった
- 後悔することが減った
- 感情の起伏がゆるやかになった
- じっくり思考する習慣が身に付いた
生活に起こった変化・習慣:
- 酒代が掛からないので貯金できるようになった
- 本を読む時間が増えた
- 家族との会話が増えた
- 子どもと勉強する時間を取れるようになった
睡眠障害は長いあいだ悩みの種でしたが、私の場合は断酒して約1か月を超えたあたりから、劇的に改善した実感があります。とにかく寝つきが良く・寝覚めがよくなりました。
以前は寝床に入って2時間眠れないのはザラ、というぐらいでしたが、今は10時就寝・4時半起床の習慣が完全に身につきました。断酒して身体に起こった最も大きな変化・習慣です。
生活面で大きいのは、お酒に縛られない「有益な時間が増えたこと」と、「支出が減ったこと」。そして「心身からお酒が抜けていくこと」です。これらはとても嬉しい変化で、モチベーションアップになります。
まず「有益な時間が増えたこと」。
断酒して出来た時間を利用して、毎日子どもと「NHKラジオの基礎英語」でリスニング力を鍛える時間を持つようにしています。お酒を飲んでだらだらしているより、はるかに生産的な時間を過ごせていると実感しています。
次に、「支出が減ったこと」。
断酒してから、1日1000円の「つもり貯金」をしています。これは「毎日お酒に1000円使ったつもり」で積み立てていく方法です。今日(2022/4/18)で108日目になるので、10万8千円貯まった計算になります。
最後に面白いのは、日が経つにつれて「心身からお酒が抜けていくこと」。
身体に残っていたアルコールは「離脱症状」を伴いますから、断酒して数日~10日間くらいまでは「倦怠感」「不眠症」「喪失感」にかなり悩まされました。
しかしそれも、断酒してから2週間目以降だんだんと改善されてきました。それ以降は1日ごとに体から毒素が抜けていく感じです。
その前までは「脳」で理解させていましたが、明らかに身体の調子が良くなり始めると「本当にアルコールって薬物なんだな」と体感できるようになってきました。こうなると、断酒を続けるのが楽しくなってくるから不思議です。
私の場合、なんだかんだでアルコールが心身と生活から完全に消えたかな・・と分かるまで、だいたい3か月ぐらいかかったような気がします。
断酒生活は、始めた当初はかなり辛いこともあると思います。ですが継続すれば必ずプラスの作用が働きます。そのメリットは人によって様々な面で、思いもよらぬことも含めてどんどん増えていくと思います。自分の心身・環境に起こる変化を大いに楽しみましょう!
まとめ:断酒にはメリットしかない!
ついつい飲み過ぎてしまい後悔している方、お酒との付き合い方に悩まれている方は、非常に多いと思います。しかしストレス解消のためにお酒を飲んでもその問題の原因は何も解消されないし、かえってお酒に囚われてしまいます。
お酒を飲んで人生の財産を無駄に浪費するか、断酒してよりよい人生を送るか。分かっているつもりでも、お酒をやめるのは最初、とてつもない覚悟と継続的な努力がいりますよね。
確かに初めは大変ですが、それでも実際に続けて100日も過ぎると「よくあんなものを20年以上も飲んでたな・・」と思えるぐらいになりますから、人の体は不思議です。
さて、どうすれば断酒を継続できるか?
人によって断酒が継続できるポイントは違うと思うので一概に言えませんが、私の場合は酒飲みには不都合な『「アルコール=世界最悪の薬物である」という事実を、自分の脳に完全に理解させ続けること』がもっとも効果的でした。
アルコールのやっかいなところは「コントロール障害を起こさせる」点にあります。「お酒はほどほどに」なんて、酒好きだったらむしろ、出来る人のほうがむしろ少ないんじゃないかと思います。
だから何の準備もなく自分の意思だけで、アルコールの誘惑をコントロールすることはまず無理だと考えたほうがいいでしょう。
まずはアルコールに立ち向かう心構えや準備、そして継続するための仕掛けが不可欠です。
幸いにも今は「断酒・禁酒」関連の書籍や、成功者や専門家によるブログ、YouTubeなどがたくさんありますから、お酒に打ち勝つための知識を十分に手に入れて、そのなかから自分で続けられそうな方法を調べるところから始められるといいと思います。
かくいう私自身も、断酒をはじめてまだ108日目。これからも継続できるように頑張ります!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
<2022/8/22追記>
断酒200日が経過した時点のレポートを追記しました。より具体的に、「断酒習慣を身に付けるコツ」を知りたい方はご覧ください。
<2022/12/17追記>
断酒1年が経過した時点のレポートを追記しました。
【経歴】
1979年生まれ 京都市出身。
同志社大学経済学部卒業後、日本ユニシス株式会社(現BIPROGY 株式会社)入社。一貫して金融機関向けITシステム開発業務に携わる。
金融システム開発の現場で、2007年~2009年頃のリーマンショックによる経済の大混乱、強烈な景気後退、資産の激減などを目の当たりにする。
その経験から、「これからの日本人の合理的な資産形成・防衛に、正しい金融リテラシーが絶対に必要」という強い思いを持ち、2011年4月 株式会社トータス・ウィンズに入社。
中小企業に特化したリスクマネジメント対策のコンサルタントとして、500社以上の中小企業、1,000人以上の保険相談業務に携わる。2015年、代表取締役就任。
法人保険活用WEBサイト『点滴石を穿つ』を運営する一方で、法人向け保険代理店として、東京都中央区を中心にコンサルティング活動を行なう。
【趣味】
美術館巡り、千葉ロッテマリーンズの応援
【自己紹介】
中小企業向けの金融商品が数多ある中で、わたしは一貫して『100%顧客優位な商品選び』をポリシーに中小企業経営者向けの保険活用プランニングを行なってきました。
これまでのキャリアでの最大の学びは、『お金やお金の流れに関する知識や判断力=「金融リテラシー」は、私たちが社会の中で経済的に自立し、生き抜くために必要不可欠』ということです。
そして金融・保険に携わるプロとして、何よりお客様に対する誠実さ・真心・信頼関係より大切なものはないと考えています。
皆さんが安心して納得できる金融商品選びができるよう、わかりやすい記事を書き続けることで貢献していきます。